表情のない空 弐

第伍拾捌話 ページ13

Aside


今日は最後の柱合会議。

鏡の前で笑顔を作る。


最後の会議


何度もその言葉が頭に浮かぶ。


みんなと過ごすのも今日が最後ってことか……。


ふと寂しくなって下を向く。



いや……去り際くらい胸を張ろう。



もう一度笑顔を作る。



みなさんにとって嬉しいことなんだしね。



『あすか、行こう！』


あすか「うん……。」


あすか……元気ない。

もう会えなくなるかもしれないんだもんね。

今日であすかともお別れ。


ずっと私の味方をして嘘をついてまで守ってくれた。


『あすか……ありがとう。ほんとは、ずっとあすかといたかったな。』


そういったとき涙がこぼれ落ちた。

昨日枯れるくらい泣いたはずなのに。

どうしてだろう。


あすか「私、ずっとAと一緒にいる！誰に止められても、誰の命令でも！」


ダメだよ。

あすかはまだ若いから次の鬼殺隊士に就くことができるのに。

でも、止めない私は“嬉しい”んだ。


『分かった……。じゃあ、生まれ変わっても一緒だよ。』


いつものように肩にとまるあすかを撫でた。


『私、みんなの前で泣きそうだな……。』

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