茶碗蒸し ページ29
侑李side
いつもより重苦しい空気。
別に1回のテストでそこまで言わなくていいじゃん、間違えてるんだから。
国語なんて決定的な証拠を見つける作業すりゃいいんだから早く終わってくれないかな。
現実より簡単でわかりやすいなんていいよね。
それよりさっきから後ろから貧乏ゆすりする音と、なんかよく分からない音がしてて、これがまたクラスのみんなに聞こえたらめんどくさいじゃん、もう裕翔はいつもドラム叩いて。と思いつつ振り向いたら、それはそれは真っ青で冷や汗ダラダラ垂らしてる裕翔がいて。
何もかも瞬時に把握できず、けーちゃん呼んだりしたけど、涼介が勝手に外に出してくれた。
慶「…裕翔たちまだだよな」
侑「うん」
慶「一回見てきてくれない？」
侑「いいよ」
あれから20分。
もうすぐこの授業の終わりのチャイムがなる。
はじめこそそのけーちゃんの国語に対する熱い思いだったけど、すぐ終わっていつもどーり緩い授業が始まったのに帰ってこない2人。
僕が見に行くことになったけどどこに行けばいいんだよ〜
涼「え？侑李？」
侑「あ！涼介！」
涼「さっき裕翔の手引いてトイレ連れて行ったら教室戻ってて、出てってって言われたから、とりあえずトイレの外で待ってるんだけど一向に出てくる気配なくてさ」
侑「声かけてみよ、かなりやばそうだったし」
涼「そうだな」
トイレの前で携帯いじってる涼介、バレたら没収なのわかってるのかな。とか思ったけど、裕翔待ってるみたいだし、チクらないでおくよ、僕って優しい。
涼「裕翔大丈夫か？」
裕「…りょーすけ？向こう行ってて…って」
侑「ゆーと！とりあえずドア開けて！もう20分以上入ってるんだよ、体冷えちゃうから…うわっ！」
ずっと閉まってると思ってたドアを勢いよく開けてみたら、鍵がかかってなかったみたいで転びそうになった。
涼「侑李まさか壊したんじゃないよね笑」
侑「そんなわけないよ笑 空いてたの。って、ゆーと？！」
便座に座ってるのかと思ったら、しゃがみ込んでしまって、よくみるとブレザには吐瀉物がたくさんついてる。
侑「シゲ呼んでくる！」
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作者名：そら | 作成日時：2020年9月1日 19時
