第八十九話 決着 ページ15
「馬鹿っ…！！ヒーロー殺しの狙いは俺とその白アーマーだろ！応戦するより逃げた方がいいって！！」
「そんな隙を与えてくれそうにないんですよ。奴も焦ってる」
物怖じしてくれれば、と与えた情報が逆に、ヒーロー殺しの信念を燃え上がらせてしまった。プロが来る前に、ヒーロー殺しは己の信念に誓って、飯田と後ろに居るプロヒーローを殺そうと躍起になっている。
イカレた執着心だ、とAの頬に冷たい汗が伝う。
「轟君、温度の調整は可能なのか！？」
「
「俺の足を凍らせてくれ！排気筒は塞がずにな！」
「邪魔だ」
轟と飯田の視界から外れた場所から、ヒーロー殺しはナイフを投げつける。やらせない。やらせて、なるものか。瞬間、Aは二人を庇うように前に出た。遅れて気付いた轟は、目を見開いてAを見る。
「――っ、おい！おい、不和！」
「ぼく、はッ…い、いから…！」
Aが喋ると、口の端から、顎を伝うように血が流れ落ちる。
何が起こったのか理解できないまま、飯田はAの腹部を見下ろす。そこには、Aの腹部に深々とナイフが刺さっていた。
「てんや、く…ん」
「―――ッ轟君！！いいから早く！！」
「お前も止まれ」
Aの動きを封じると、ヒーロー殺しは二本目のナイフを投げる。その瞬間、飯田の腕にナイフが刺さった。腕を動かそうとすれば、鋭い激痛が走って顔を歪める。
――だがこんなもの、Aの痛みに比べれば掠り傷だ。
飯田は己の怪我を顧みず、足が凍ったを確認すると、腕に刺さったナイフを口で引き抜き、脚を振りかぶる。同時に、緑谷もヒーロー殺しに向かって跳躍して拳を振りかぶった。
「お前を倒そう！今度は、犯罪者として―――」
「ぐぅッ」
二人の攻撃が直撃し、ヒーロー殺しは吐血する。それでもなお、ヒーロー殺しは飯田の殺害を諦めていないのか、刀を飯田に向かって振るおうとする。
「―――ヒーローとして！！」
「たたみかけろ！」
「がっ…」
飯田の蹴りが脇腹に入ると同時に、ヒーロー殺しは上空に吹っ飛ぶ。
「おおぉぉぉ！？」
「立て！まだ奴は――…」
落下する飯田と緑谷を、轟は氷を造形して地面まで降ろし、ヒーロー殺しを警戒する。そう言って見上げた先には、力なく氷の上で気絶しているヒーロー殺しの姿があった。
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はと - おかえりなさいませ〜！馬さんの作品めっちゃ好きなので、ずっと待ってました！改めて、お帰りなさい！ (2022年8月28日 14時) (
レス) @page40 id: d15a86ccaf (このIDを非表示/違反報告)
旅人 - 更新されてる！ おかえりなさい！ (2022年8月28日 8時) (レス) id: c3b9825a0f (このIDを非表示/違反報告)
お餅(プロフ) - 更新再開ですか！？待ってましたー！！ (2022年8月26日 22時) (レス) @page37 id: 28886abf9c (このIDを非表示/違反報告)
らん - めっちゃ面白いです〜！合宿らへんから、書くの大変になってくると思いますが、めちゃくちゃ楽しみにしているので、是非更新して欲しいです！応援しています！！ (2022年8月13日 20時) (レス) @page36 id: 3bb41adb05 (このIDを非表示/違反報告)
千椛(プロフ) - 更新楽しみにまってます！！とても面白いです！ (2022年3月5日 9時) (レス) @page33 id: 5a2d0a48cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空天 馬
| 作成日時：2018年6月19日 4時
