第四十三話 答え探しの時間 ページ13
結局、アイツが過去を語ることは無かった。
例え秘密を知ったとしても、地球を爆破してしまえば無意味に終わる。真実を知りたければ、選択肢は一つ。
「烏間先生!」
「……君達か。どうした大人数で」
そうと決まれば、生徒達はすぐに行動に移す。校庭で部下に指示をしていた烏間先生に声を掛けると、作業を一旦中断して振り返ってくれた。
今までは、誰かが殺すだろうと何処か他人事のように考えていた。
今回の堀部の件を見て、思い知らされた。
「誰でもない。俺等の手で殺りたいって」
だから、E組の生徒は教えを乞う。
先を越される前に殺して、自分達の手で答えを見つける為に。
「……分かった。では、希望者は放課後追加で訓練を行う。より厳しくなるぞ」
「「はい!!」」
元気よく返事をする皆を、少し離れた木の幹の麓で眺める。いきなりロープ昇降の訓練か。烏間先生も容赦ないな。
「行かなくていいんですか?天霧君」
「ああ」
頭上から黄色い生物の声が降りかかる。訓練に励むE組の生徒から目を離さずに、俺は静かに腕を組んだ。
別に俺は、コイツを殺す気はない。
こんな優れた生物はどこを探してもいない。姿形が異なるだけで、理想の先生というやつだ。
秘密は確かに気になりはする。だが、殺してまで知りたいとは思わない。
「……何故か聞いてもいいですか?」
こんな言葉がある。
明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ。
俺はこの言葉が大嫌いだ。
「人はいつか死ぬ。それは、今日かも知れないし明日かも知れない」
報酬が破格の金額でもどうでもいい。
地球が破壊されようとも、いずれ死ぬには変わりない。時期が早まっただけだ。
「……いや、なんでもない。冗談だ」
何か言いたげな黄色い生物に背を向けて、烏間先生達がいる方へ足を進める。
ああ、一人取り残された気分だ。
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柑橘類(´;ω;`) - まさかのポ○モンww (2022年3月8日 1時) (レス) @page16 id: b9050f97b8 (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(プロフ) - 最高です!とても面白いです!更新頑張って下さい (2019年10月20日 21時) (レス) id: 86330688ee (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 面白すぎます。描写とかたくさん書かれていて読むのが楽しいです、頑張ってください (2019年9月4日 23時) (レス) id: 94e906f1db (このIDを非表示/違反報告)
空天 馬(プロフ) - カイさん» ありがとうございます〜 今のところは誰、とは考えてないですw (2019年8月21日 22時) (レス) id: e9bd85a3ea (このIDを非表示/違反報告)
カイ - ヒロインとかはいたりしますか? 面白いです! (2019年8月21日 14時) (レス) id: 0a1f4d95ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空天 馬 | 作成日時:2019年8月17日 4時