零番目の失敗作＿＿Ⅲ (ページ9)

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94…名前ってなあに？ページ9

リヒトの演奏一曲目が終わる頃にはロウレスが会場内にいた吸血鬼を片付け終わっていた

「ブラボーブラボー！あっれぇ兄さん！？遅いっスよお今ちょーど一曲終わっちゃった！」

振り向くとホールの入り口に真昼とクロが立っていた

吸血鬼が山になっているせいかボクのことが見えていないようだ

「…！！これ全員…吸血鬼！？この数を二人で！？」

「いやいや１人っスよ！何人か逃げられちゃったっスけどねえ」
べらべらとロウレスが喋っているとリヒトが立ち上がった

「オレの演奏中にうるっせえんだよクズネズミ殺、すぞ」

「マナーの悪い客を排除してあげたんっスよ？お礼は？リヒたん？」

「死、ね」

リヒトがロウレスを蹴りに出るが素早く移動したロウレスがリヒトを壁へ蹴りあげた

リヒトは強打をし埋もれる形のなっている

「まーったく！バイオレンスな天使ちゃんで困っちゃうっスね！」

「ちょっ…主人は人間だろ！？そこまでやったら…」

「あーいーのいーの主人はフツーの人間より身体能力は上がってるしー
それに
こんくらいで死ぬようならいらないっス」

「観客がまだいるのに演奏者を投げ飛ばすのはよくないと思うけど」

座っていた席から立ち上がってロウレスを見る
ロウレスは相変わらずのへらへらとした顔でいる

「あっれぇお人形ちゃん生きてたんスか？喋らないからてっきり死、んだかと～」
「酷いこと言うね残念ながらボクは生きてるよ」

「ロウレス！Aにあまり意地悪しないでください！」

いつの間にか人の姿にになっているセイヴァーが叫んだ
何気にそこら辺に転がっている吸血鬼の顔を踏むのはやめて欲しい