零番目の失敗作＿＿Ⅲ (ページ23)

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108…助けページ23

「あれ？知らなかったの…椿に言われてるなら知ってるかと思ったのに」

不思議そうにAはヒガンを見つめた

「テメェ、呑気に会話してねェでさっさと片付けるぞ」

「わかったよ」

ヒガンを挟み二人で会話する
お互いに銃、鋏を構える

準備は万端らしい

・

・

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「…逃げられちゃったね」

先程までヒガンと戦っていた二人の目の前には今は誰もいなかった

「チッ…まぁ、テメェを回収できただけいい」

「リヒ…強欲の主人も回収するんじゃなかったの」

二人がかりで一体の吸血鬼を相手にした

ヒガンはリヒトを抱えつつも、二人には劣ることないように戦ったが

何かを図ったようにいきなり姿を消した

その行動には二人は目を丸くした

まるで"マジックみたいに＿＿"

「それについては後で話す」

「あとで…ってきゃあ！？」

弓景はAの許可を得ずにAを担いだ
いきなり体が持ち上げられたことでAは小さい悲鳴をあげたのだ

「もう少し優しく運んで貰ってもいいんじゃない…？」

「こっちの方が早く済むだろ」

確かに、Aは先程一人でヒガンと戦った後、弓景と一緒にヒガンと戦ったのだ

憂鬱組の中でNo.2の吸血鬼と2度も戦った
体力の消耗はかなり高いはずだ

担ぎ方はどうであれ、弓景なりのAへの優しさだ

「……本部まで連れて行くんでしょ」

特に抵抗するわけでもなく、大人しく運ばれてるAは小さく零した

「んだよ、ちゃんとメール読んでたのか
修平が困ってたぞ、Aはちゃんとメール読んだか？って」

「そのぐらいちゃんと読むわよ…」

弓景に担がれながらAは数週間ぶりに本部へと進んでいた