第八話 ページ10
.
「おはよう、としくん！」
「おはよう」
「昨日はお疲れさま」
「ありがとう」
春高予選の決勝
当たり前にとしくんが勝つと思っていた試合
でも春高行きの切符を手にしたのは烏野高校だった。
昨日でとしくんは引退
全てをかけて築き上げた青春が終わっても
日常は止まることなくやってくる。
「今日は最後の進路相談の日か〜…」
「そうだな」
「としくんはバレー続けるんだよね？」
「ああ、すぐに合流して練習だ」
「切り替えはやっ！」
「Aは結局どうするんだ？」
「ん〜…まだ迷ってはいるんだけど、たぶん行くかな
東京」
とくにやりたいこともない。
学びたいこともない。
漠然と都会に対する憧れから選ぼうとしてるだけ。
「そうか、では離れ離れになるな」
「さみしい？？」
「？なぜさみしいんだ？」
「ひどいっ！私はさみしいよ！
ちっちゃい頃から遊んでて同じクラブチームでプレーしてさ、及川くんと岩泉くんみたいな腐れ縁なのに、ついに離れ離れになるんだから…」
「会いたくなったら会えばいいだろう」
えっ…
「え、でもそんな暇ないんじゃ…」
「時間なら作ればいい」
いつからそんなことを言えるようになったの、としくん。
感動してしまって言葉が出ない私であった。
・
・
・
「あんな風に牛島と話せる女子なんて、瀬川しかいないわ…」(ガヤ目線)
「あのド天然バレーボール少年の若利が男前なこと言ってるけど、あれも天然なんだろうなぁ…」(山形目線)
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 120人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にゃん吉 | 作成日時：2020年1月21日 23時
