第四十二話 ページ44
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飛雄の強烈なサーブから続く点の取り合い
そして回ってきた日向くんのローテ
ドオッ
〔見事に決まった、烏野1年生コンビのワイドブロードー!!〕
これまでのローテはこの時、東峰くんのレフトと月島くんのセンターか田中くんのバックしか選択肢が無かった。
「そっか…日向くんには『幅』の武器があったね…」
手薄になっていたライト側
わざわざコートの半分しか使ってやることはない。
日向くんのコートを駆け抜ける身体能力
そして、飛雄の神業が合わさるからこそできる技
星海くんのサーブ
リベロの西谷くんがしっかり上げる。
ブロードを仕掛けるのは最高のシチュエーション
「(また日向くんかな…)」
ライト側に走る日向くんに誰もが注目した。
その瞬間、
「うっわ、うっま」
天満さんの反応を見て思わず笑みがこぼれた。
「いや、ここでツーは中々性格悪いと思います…」
「Aちゃん、すごい嬉しそうだね」
月島さんが引いてる気がするけど、見えなかったことにしよう。
飛雄、絶対今気分爽快っ!って感じだと思う。
だって、ハイレベルと謳われる鴎台のブロックが全く無反応だったもん。
気持ち良くないはずがない。
「はぁーっ、飛雄のやついいなー!!私もバレーやりたい!」
抑えきれず出た本音だった。
「Aちゃん、バレーめちゃくちゃ好きなんだね」
「大好きです!!」
「すんごい楽しそう」
俺も楽しいけどっ!と何故か張り合ってきた天満さん
「あー、やっぱり出ましたね。サーブ&ブロック戦法」
今のシャットアウトは仕方ないと思う。
「天満さん、全国はすごいですね」
「うん、すごい」
「絶対コートの中にいる選手たちは楽しいですよね」
「そんなこともないかもよ?あんまりバレー好きじゃなかったり、プレッシャーで死にそうな子もいるかも」
「確かに!練習もキツいだろうし、そうですよね」
負けたら虚無しかなかったしね…と試合を見ながらぼやく天満さん
「それでも…コートに立ってあんなに汗だらけになってバレーボールできる飛雄たちが、私は羨ましいです」
白馬くんのスパイクをなんとか上げてる田中くん
「あんなセンスに恵まれて、そこで止まらないストイックさがあって、飛雄もとしくんも他の選手たちも皆すごい」
〔速攻をタテに捻じ込んできたーっ!〕
コートに立つ君の姿はほんとにまぶしくて
目がそらせなかった。
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作者名:にゃん吉 | 作成日時:2020年1月21日 23時