第四十一話 ページ43
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ﾋﾟﾋﾟｰｯ
あっちのコートは梟谷が勝ったのか…
そんなちゃんと見れなかったけど、エースの4番キレッキレだったもんな。
そんなことを考えていると、天満さんが口を開いた。
「月島さん、俺と星海が似てるって言ってくれましたけどやっぱレベルが違います。
さっきのエンドライン狙いスパイク、もし俺だったら打ち下ろして蛍くんに捕まってました。
星海…圧倒的技術と判断力です」
天満さんの言ってる星海くんの攻撃…あの場面かな。
飛雄がストレートを締めてたから、普通はクロスに打とうとする。
それを待ってたかのように月島くんがタイミングをずらしてクロス側をブロックしたけど、星海くんはそれをも見抜いてエンドラインスレスレに打った場面
攻撃に跳んでボールを打つまでは、文字通りほんの一瞬だ。
その一瞬の間に行われる沢山の駆け引き
「改めて考えてみると、星海くんってバケモノですね…」
「でも、圧倒的なそいつに『避けなきゃヤバイ！』って思わせる蛍のブロックって事だな！」
冴子さんの言葉に、私と天満さんは顔を見合わせた。
少し間を置いて、天満さんはニカッと笑うと
「確かに」
とコートにいる烏野のチームを見て言った。
私もコートに視線を戻す。
「あ、鴎台はローテ回してきたね」
月島さんが言ったのを聞いて、それに気づいた。
あ、これって…
「このローテ…鴎台の最強のローテじゃないですか…？」
「そうなの？」
後ろから冴子さんの声が聞こえてきた。
「多分…これだと、烏野の攻撃力が下がるローテのタイミングで鴎台は昼神くんと2mの白馬くんが前衛に来ます。
それに加えて星海くんがサーバーになるから、サーブ&ブロックの攻撃が狙いなんじゃないかなって…」
「ほんとだ…！」
鴎台は2セットで決着をつけるつもりか…
ただでさえ隙があまり無いのに、ブレイク取られまくったらどんどん苦しくなる。
「烏野はどう攻めるんでしょうか…」
「あ！翔陽と蛍が入れ替わってる！」
「ってことは、鴎台の最強のローテに烏野はあの子をぶち当てるってことか！」
「なるほど…」
まさに最強の盾 対 最強の矛 か。
でも、あの速攻の速さにだって鴎台のブロックは三枚ついてくる…
シンクロ攻撃だって、リードブロックの前じゃワンチ取られてるし、
高さだって負けてる。
じゃあ、どうやって…
ﾋﾟｰｯ
2セット目が始まった。
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作者名：にゃん吉 | 作成日時：2020年1月21日 23時
