第三十九話 ページ41
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「確かに、ブロックがより強いのは鴎台だと思う。」
口を開いたのは月島さんだった。
「でもウチには、その組織的なブロックに対抗できる理性的なブロックがいる！」
「あ、ナイスワンチ！」
月島さんの顔はすごく誇らしげだった。
「白鳥沢戦の時、としくんを止めたのもすごかったです…」
「としくん？」
「あ、牛島若利のことです」
「かわいい呼び方するなー！」
「幼なじみなので…つい、」
「まじで！？」
ハッハーと笑っていた月島さんの顔は一変して身を乗り上げてこちらを見てきた。
それ以上乗り上げたら落ちちゃいますよ…
東峰くんの強烈なサーブ
乱れたレシーブ
この場面で定石な攻撃はレフトの星海くん
「(来る)」
観客もコートの選手も、皆そう思ったと思う。
ﾄﾞﾝｯ
また大きく、高く跳んだ星海くん
さっきの攻撃はブロックの上から叩きつけた。
今度の攻撃は＿
ﾀﾞﾝｯ
「っ！」
〔こちらも負けじとブロックポイント烏野ー！！〕
「うちの弟」
「(5回聞いた…)」
「(ブラコン…)」
「でも気をつけないと、一本止められてからが勝負っスから…！」
「天満さん、今ﾋｭﾝｯてなりましたよね」
「なった…」
ぐぬぬっと謎の声を出して身を少し屈める天満さんが可愛かった。
「星海ってやっぱ、高校の時のお前と似てるよな」
「え！マジすか！」
ﾎﾞｿｯと呟いた月島さんのその言葉を聞いて、ﾋﾟｮｰﾝっとすぐに伸びた天満さん
「俺こんな凄かったっスか！？ユースイケますか！？」
「いやユースは知らんけども。
皆宇内を頼ってたし、『小さな大エース』って地元じゃ有名だったじゃん」
「エヘヘ」
天満さんってそんなすごい選手だったのか…
確かさっき試合前に飛雄と会った時も、後ろでなんか話してた気がする。
「俺も、自分が強いと思ってました」
その一言は、私の視線をコートから外すのには十分で。
向けた視線の先にあった天満さんの顔は、合宿の時に見た日向くんの顔と少し似ていた。
ﾋﾟｰｯ
星海くんが放ったスパイク
アウトだと思ったけど、ブロックタッチ有りの判定
「絶対あいつブロックアウト上手いと思ったー！」
「くらァッ、どっちの味方だア！」
小さい身長にあのジャンプ、それだけに目が行っていた。
だけど、飛雄のサーブを綺麗にAパスで返す技術、スパイカーが打ちやすい二段トス
星海くんは全部上手いんだ。
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作者名：にゃん吉 | 作成日時：2020年1月21日 23時
