検索窓
今日:5 hit、昨日:4 hit、合計:47,918 hit

第二十一話 ページ23

.









JR……字、宇都……字………








東京駅には着いたが、武田先生からもらった道順のメモに書いてある漢字が読めない。







まあ、いい。







書いてある表示板の中に同じ漢字を見つければいい。









今日から始まるユース合宿







どんな奴らがいるんだろうか。

俺はワクワクしていた。







チッ、それにしても人が多い…







人の流れに沿って、上の表示板を確認しながら進む






しかし、同時進行がなかなか難しくて







ドン







反対方向に進む人とすれ違った時によろけた反動で、歩いていた女の人にぶつかってしまった。






「すみません…あ、」



「あ、」







すぐ謝ると振り向いた女の人




バチっと視線があった。




そのキレイな瞳




頭の片隅にこびりついていた記憶が蘇る。






「カゲヤマ……」





白鳥沢と戦った時に会った、すげーキレイな人



向こうも驚いた様子で目を丸くしていた。



そりゃ驚くよな。

またぶつかったし、何より地元じゃなくて東京で。

俺も驚いた。





「なんで、東京に…?」


「あ、ユース合宿で…」


「そうなんだ!すごいね、頑張ってね!」





そう言って、その人ははにかんだ。



その笑顔を見た時、







ドクン







と心臓が一際大きい音を立てて脈をうった。






「あざス!がんばります!」






つい出てしまった大きい声にその人は驚きながら、






「あ、じゃあそろそろ時間だから行くね!」






ばいばいと言いながら、また歩き出そうとした。







「あの…!」







おかしい。


この人には、頭で考えるより先に身体が動いてしまう。







「名前…!教えてくれませんか!」







キョトンとした顔


いきなり名前聞いたのはおかしかったか…


だけどその人は俺の方に歩いてきた。






「瀬川Aって言います。」


「俺は影山飛雄です!」


「影山飛雄…よろしくね!」







その人のとびきりの笑顔はまぶしくて、





絶対に忘れられないと思った。









.
---




「なんて呼んだらいい?」


「飛雄でいいです。俺はなんて呼べばいいですか?」


「Aでいいよ!」


「ちなみに何年生ですか?」


「私?3年!」


「じゃあ、Aさんて呼びますね」


「じゃあ、飛雄は後輩かぁ」


「(及川さんに呼ばれるのと全然ちげぇ…)」





.

第二十二話→←第二十話



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (70 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
120人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:にゃん吉 | 作成日時:2020年1月21日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。