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第十七話 ページ19

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ピピーーッ







セットカウント 3(イタリア)ー1(日本)

勝者:イタリア









としくんのチームは負けてしまった。







けど、すごくいい試合だった。









『気をつけ!礼!ありがとうございました!!』









応援席の方にあいさつする選手たち






私の真ん前に立つとしくんに、2年ぶりのグッとポーズを送った。









なぜか、としくんは固まって返してくれなかったけど。









無理やりにでも連れてきてくれたお母さん






気をつかわせてしまったとしくんのお母さん






そして、としくん









皆には感謝しなきゃな…









『お母さん、としくんのお母さん、




ほんとにありがとう。』









選手たちに向けて拍手していた二人は、なぜか私にも拍手してくれた。









自分がコートに立ったわけでもない。









この試合のために努力したわけでもない。









でも、なんでだろう。









『すごい、すがすがしいや』









何かから解放されたような感じ









嬉しいような楽しいような不思議な感覚









とても満たされた気分だった。









『Aちゃん、このあと若利に会いに行くけど一緒に来る?』









突然のお誘いに戸惑った。






お母さんの顔を見ると、笑顔だった。









『……じゃあ、…行きます。』









正直に言うと、高校に進学してからはそんなにとしくんとは話さなかった。






向こうもあまり喋る性格じゃないし、







何より私が避けてた。









でも、








今のこの感情を









としくんに伝えたい。









そう、思った。









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作者名:にゃん吉 | 作成日時:2020年1月21日 23時

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