Over Love 3

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晴れてて良かった。




そんな事を思いながら眺める川は

今日も太陽の光を浴び

キラキラと水面が輝いていた。



眩しすぎるその光景。



目を逸らした先で映った空は

淡く、広く、澄んだ水色が広がっていて


流れゆく度に形を変える雲に息を飲む。









遠い記憶を思い出していた。



　“オトナになったらボクと結婚して！”

　“うん！いいよ？”



私のファーストキス。




「…ふふっ」




純真無垢だった4、5歳の頃。

何も恐れずに
想いを、真っすぐに伝える事が出来たあの頃。


あの時も

この川は今日のように太陽の光を浴びて

キラキラと水面が………




「……………え？」




この…川？



　“Aさ、一番古い記憶って何歳？”

　―遠い昔
　 まだ私のおむつが外れない頃に
　 この土地に住んでいた事があるらしいけど









「お姉ちゃん、そろそろ時間だって」

「え？あ、うん。分かった」





違うわよね？



だって私、ここに住んでたのは

おむつが外れる前(・・・・・・・・)まで………









　







“隆二、

　私の幸せ、見届けてくれない？”








　






二度目のお見合いは、すぐに決まった。



妹が第2子を出産してから
毎週末実家に帰っていた私。



「Aちゃん、隆くん、来ないの？」

「ごめんねー美桜。
　隆くんお仕事忙しいんだって」



美玲たちが川の字に並んで昼寝している光景が
何とも微笑ましくて心が温まる。



「A、コーヒー飲む？」
「うん」



そんな光景を眺めながら
母とコーヒーを飲んでいた時。



「A、またお見合い、してみない？」


あからさまに私の様子を伺いながらも
ストレートに話を切り出した母。


「………」
「無理にとは言わないけど…」



赤い華は、もう消えた。

だからと言う訳ではないけど



「…お受けしようかな」

「そう！お受けする？
　プロフィール頂いてるんだけど…」

「お母さん、声！起きちゃうよ？」



新たなお見合い相手のプロフィールを
コソコソと読み上げている母。



「経営者さんでね
　親御さんとの同居も必要なくて………」

「大丈夫よお母さん」


そんなの、どうだっていいから。





　“お姉ちゃん、そろそろ時間だって”

　“え？あ、うん。分かった”






「Aちゃん綺麗」

「そう？ありがと、美桜！」





いざ、出陣。



　

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