Over Love 2

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仕事だって事は解ってるんだけどさ。

でも
それ以上の感情が確実にそこにあって


白濱、って言った？


絶対あいつでしょ？
Aを抱きしめた後輩(ヤツ)。


距離感ヒカリ並みに近いし
めっちゃ心配そうにAの顔覗き込んでるし。


なんかイラつくんだよね。



「可愛い顔してるわよね、白濱君」


お…っと？


　“ヒカリさ、人の男(モン)にしか興味ないらしいぜ”


使える(・・・)と思った。


「だとしても、言えないんじゃない？
　社内恋愛…禁止、とか？」

「ふーん。…ねえ隆二、行ってみない？」


煽り勝ちだと思っていた。



でも結局。


どれもこれも

思い浮かんだシナリオ通りには進まなかった。







「白濱君、同席してもいいかしら？
　私たち同級生なの。ホント懐かしいわよね」


引きつるAの顔。
その手を握ってやる事すら出来なくて
もどかしかった。


「隆二もAも同窓会とか全然来ないんだもの」
「え…？」


前置きなんていいから早く狩りに行きゃいいのに。


「行ってなかったの？」
「忙しくてさ」


本当に大切な仲間とは定期的に会っている。
Aがいない同窓会なんて
行く意味ないだろ？


「…そう、なんだ」



沈み込んだ様に見えた。

そして、そんなAに
すかさず手を差し伸べたのは

白濱だった。



「Aさん、ワイン、注いで来ない？」







茶番が始まったのは
二人が戻ってから直ぐ。



「お待たせしてすみません」

「おかえりなさい。あれ？
　白濱君、顔赤いわよ？酔っちゃった？」

「マジッすか？
　いやー俺、ワインとか飲み慣れてなくてぇ」



最初はその意図を読みこる事が出来なかった。



「ふふっ、かわいいいのね白濱君。
　私、送ってあげようか？」

「マジですかヒカリさん♡
　お願いしちゃおうかなー？」

「まっ、待ってヒカリ。大丈夫。私が送るから」



……。

あー、そうか。そう言う事、ね。









主催者に挨拶をする後姿。

振り向きもせず、会場を去ったA。




「やっぱりあの二人、そうなんじゃない？」

「…どうかな」




幼馴染より、後輩の方が一枚上手(うわて)だった。




酔ったフリだと言う事は直ぐに分かっていた。

酔ったフリをして
初対面のヒカリの特性(・・)を見抜き、上手く利用して

Aを守ったのは、白濱だった。




結局俺は、Aを守る事が出来なかった。




何とも言えない敗北感。




……敗北感、か。

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