062 side R & R ページ12
“もしかして、
Aを追いかけようとした
Aを追いかけたもう一つの背中があった。
「今市君」
君もその背中くらい、素直になればいいのに。
「
“じゃあ、戦友が死んだら?”
“そういう事だよ、A”
あれから何年経った?
Aが意固地だという事は知ってたけど
君も相当素直ではないようだね。
なのに
それでもAの心を掴んでおけるなんて
皮肉な話だよ。
「A今、弱ってるよ?」
知ってるだろ?
責任感が強くて、努力家で
強そうに見えて繊細で
淡白に見えて周りに気を使う性質だと言う事も。
「奪ってやろうか?」
それが不可能だって事くらい学習済みだ。
君以外ではダメだって事くらい
Aには君が必要だって事くらい
自分だって解ってるだろ?
本当にAが大事なら
せめて君が素直になって
Aを
いつまで経っても俺は
報われないんだけどな。
わざわざ恋敵の背中押してやってるんだから
奪われるなよ?
白濱に、な。
―――――――――――
挑発的な言葉を並べてるクセに
その顔は余裕に満ちていて、ひどく穏やかだった。
“奪ってやろうか?”
妙に晴れやかに。
妙に行き勇んでAを追ったつもりだった。
「………」
誰かと誰かの後姿を見ると
俺は未だに遠い記憶が蘇る。
「A、こっち」
「今日は…いいかな」
「…何だよそれ」
ほろ苦さ全開だった高校1年の初夏。
あの頃の日差しは、無性に強かった。
「A。何で今日、そんなに艶っぽいの?」
もしかして、あの男に揺らいだ?
だからそんなに艶が溢れてるわけ?
「何で我慢してんの?」
「しっ…してない」
「へー?足りないってコト?」
情けないくらい必死だった。
その身体に咲いた花は、紅ではなく青紫。
自分の欲深さと余裕のなさが
あからさまに露呈されていた。
脱力したAの身体を抱き寄せれば
決まって幸せそうに涙を流す。
尊い瞬間。
でも
決して愛を囁いたりはしないはずだった。
「…A」
―俺は誓う。
―二度と自分で手で壊さない、と。
ごめんA。
限界だ。
そのセオリーを崩しそうになった瞬間。
「隆二…もう、無理」
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空(プロフ) - ユキさん» まだ観てないんです(><)早く観たいです♪ (2021年1月11日 16時) (レス) id: a234024cbd (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 空さん» 空さんは映画三国志観ましたか岩ちゃんポメラニアンの趙雲役カッコ良かったですけどナルシストな感じでしたね(*>∇<)ノ (2021年1月10日 21時) (レス) id: 5f63e3cc55 (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - shireyさん» 怒涛すぎなので今回のターンは纏めて公開しよう!と意気込んでいました^_^;うんうん、本当にいい男です(TT) (2021年1月10日 21時) (レス) id: a234024cbd (このIDを非表示/違反報告)
shirey(プロフ) - 怒涛の展開、、白濱、、いい男だ、(;_;) (2021年1月10日 16時) (レス) id: eae9c1c1ca (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - kotaさん» モヤモヤさせているかもしれませんが(;^_^Aもう少しで移行です!お付き合い頂けると嬉しいです(^^)/ (2021年1月10日 15時) (レス) id: a234024cbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空 | 作成日時:2020年7月26日 20時