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返す言葉が見つからない。
それでも剛典は優しく微笑みかけてくれていて
後悔と罪悪感は増す一方だった。
「嫌だって言っても、上書きするからね？」
嫌だなんて、微塵も思っていない。
それどころか
早く剛典で満たして欲しいと望んでいる。
だけど
それを言葉にするには
私が辿って来た人生は、不純だった。
二度目の肌は
一度目の時よりも儚く感じた。
「A、俺を見て…」
同じセリフを口にした剛典。
その瞳から伝わる感情も、あの日と同じだった。
剥き出しの嫉妬心と独占欲。
剥き出しの虚像と安堵。
こんな私を想ってくれて、受け止めてくれて
愛おしそうに触れてくれる。
「…また泣いてる」
涙は舌ですくい上げられ、瞼に唇が触れた。
「A、今日は言わせて？」
ひどく優しい顔なのに
その瞳の奥が無性に苦しそうで
“認めるのが怖い”
“壊れるのが怖い”
覚悟を決めるしかないと、小さく頷いた。
「好きだよ、A」
剛典の声が
震えていた。
私は馬鹿だ。
こんなにまで怯えている剛典を救えるのは
多分私だけなのに
今すぐに
その不安を拭い去ってやる事が出来るはずなのに
涙を流す事しか出来ないなんて……
「Aの気持ちがどこを向いていようと
俺はAが好きだから」
悲しそうな瞳。
苦しそうな瞳。
私は剛典の様に純粋じゃない。
恋愛なんて無駄だと
“行為＝本能”だと位置付けて生きて来た人間だ。
それでも
私に触れる手には愛が込められていて
“好きだよ、A”
心を決めた。
酸素が薄い。
脈が不規則だ。
「待って剛典…」
繋がろうとした剛典を、咄嗟に止める。
伝えなきゃ。
ちゃんと伝えなきゃ。
“逃げたのよ。あなたは…”
どんなに怖くても、逃げたら駄目だ。
―フロントガラスでは
―ワイパーが
―そのフィルターを規則的に掻き消して行き
―進むべき方向だけ景色が鮮明になる。
雨が
広臣が
教えてくれたじゃない。
―そこに待つ
―新たな光に私を旅立たせる為に。
今、伝えたい。
「私…剛典が好きよ」
心も繋がっている、と。
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空(プロフ) - kotanonさん» 更新遅くなってすみません^^;ありがとうございます！３も、お付き合い頂ければ嬉しいです＾＾♪ (2020年6月24日 7時) (
レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
kotanon(プロフ) - 空さ〜ん☆更新ありがとうございます！！ これからの展開も楽しみにしてます♪♪ (2020年6月24日 0時) (レス) id: 3c70e90779 (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - ねーやんさん» お久しぶりです！お手間とらせてすみません^^;移行になります！よかったらまたよろしくお願いします＾＾ (2020年6月23日 10時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - ユキさん» 行きましたよ―笑ついでにATMもｗｗ (2020年6月23日 10時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
ねーやん(プロフ) - わ…びっくりしました(笑)お久しぶりです。久々すぎても一度読み返しまーす(笑) (2020年6月21日 22時) (レス) id: 8f158f058f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空
| 作成日時：2020年3月8日 16時
