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「知り合いに探偵いるから必要な時は連絡して」
「分った。ありがとう」
広臣を見送り
ため息をついた。
結論から言うと。
昨夜、それ以上の事は何一つ無かった。
“誘ってるつもり？”
“誘われてるんだけど？”
狙ったかのように鳴った広臣の携帯電話は
今思えば警笛だったのかもしれない。
自分の部屋だと言うのに立ちあがった私。
「丁度いいから風に当たって来る」
雨上がりの香りが残る寒空のバルコニー。
ロックグラスが余計に冷たく感じる。
寝静まった夜の街並みが
私の逆上せた身体を冷やそうとしてくれていた。
「A」
私を呼ぶ広臣の姿を見て
あー、やっぱりいい男だ、と思ってしまう。
だから
「…彼女？」
わざわざ引っ張り出さなくてもいいワードを使って
自分をコントロールしていた。
「…の、友達。酔って寝たから泊めるってさ」
「可愛い彼女さんなのね？」
“Aさん、全然顔色変わらないよね？”
“結構飲んでるのに”
きっと私とは対照的。
苦笑いの広臣を見ながら、自虐的にそう思っていた。
昔の恋人と語り合った、昔の恋の話。
広臣は
当時の自分がどれだけ
懸命に熱弁していた。
「Aさ。俺の事、ちゃんと好きだった？」
「当り前じゃない。
中毒かと思うくらい、好きだったわよ」
記憶に残っている最後の時間は深夜3時半。
“ごめんな、A”
曖昧な意識の中で、広臣がそう囁いた様な気がした。
目覚めた時、私はソファーに項垂れていて
真向かいに
写し鏡の様に眠る広臣が居た。
唯一違ったのは
私に掛けられた広臣の上着。
先に眠ってしまった事を何故か悔しく思いながら
6年ぶりに見たその寝顔を
酷く懐かしみながら眺めていた。
「………穴開くって」
「ふふ、相変わらず綺麗な寝顔ね？」
「…ばーか。おはよ、A」
「おはよ、広臣。寒く無かった？」
「
不思議だけど、何故かドキリとはしなかった。
ただ、心が穏やかになっただけ。
「コーヒー飲むでしょ？」
「ん」
ウッディーな香りが残る自室。
灰皿代わりにしたガラスの小皿。
空になったマグカップ。
広臣が煙草を吸っていたその場所で
過去から抜け出そうともがく私を呼んだその名前を
朝日を感じながらタップした。
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空(プロフ) - kotanonさん» 更新遅くなってすみません^^;ありがとうございます！３も、お付き合い頂ければ嬉しいです＾＾♪ (2020年6月24日 7時) (
レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
kotanon(プロフ) - 空さ〜ん☆更新ありがとうございます！！ これからの展開も楽しみにしてます♪♪ (2020年6月24日 0時) (レス) id: 3c70e90779 (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - ねーやんさん» お久しぶりです！お手間とらせてすみません^^;移行になります！よかったらまたよろしくお願いします＾＾ (2020年6月23日 10時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - ユキさん» 行きましたよ―笑ついでにATMもｗｗ (2020年6月23日 10時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
ねーやん(プロフ) - わ…びっくりしました(笑)お久しぶりです。久々すぎても一度読み返しまーす(笑) (2020年6月21日 22時) (レス) id: 8f158f058f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空
| 作成日時：2020年3月8日 16時
