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私の腰に手を廻したまま
助手席のドアを開き

にっこり笑ってエスコートしてくれる剛典。


それは、2度目のエスコートだった。


 “ん?どうしたの?”
 “何か…変な感じです”


初めてこの車に乗ったあの日

まるでデートの様だと感じていた自分を
剛典の笑顔に重ねながら思い出していた。



「A、もう慣れてよ?」


足を踏み出さない私を覗き込むその顔は
例の人たらし(・・・・)の顔そのもので

なのに
今の私には愛おしい顔そのもので

“恋心”という魔力に戸惑いを覚える。



「行きたい所ある?」


そう問われ、咄嗟に思い浮かんだ場所があった。







 

―――海。





 “表現するならオーシャン”

 “剛典の香り”





だけど、なんでだろう。


直感的に
海に行きたいと言ってはいけない気がして


「……特に」


そう答えた。



「そ?じゃあ俺が決めるね」



行く当てを知らされないまま走り出した車。


少しずつマンションが遠のく中
まだ見慣れた景色を眺めているはずなのに

心なしかワクワクしてしまうのは
これが“デート”だからなのだろうか。





どちらにせよ、道中は新鮮だった。





初めて聞いた洋楽。

初めて聞いたアーティストの名前。



学生時代の話、

昂也と出会った頃の話。



剛典の香りを助手席で感じながら

剛典の新しい一面を一つずつ知って行く。



巧妙に私が聞きたくない時代を交しながら
絶妙に思い出話をする私の“恋人”は

良く出来た男なんだと思う。




ハンドル片手に前方に視線を送りながらも

時折こちらに笑顔を向け

その度に視線が交る。



「まっ…前見て運転して?」
「A、俺結構テレてるんだけど?」



ようは、
それだけ私が剛典の方を見ていると言う事だ。


取り繕う事なんて出来なかった。
歳上ぶる事も出来なかった。



「ははっ、そういうトコ、かわいいよねー?」


反論の余地はない。
事実、耳が相当熱くなっている。



「……いいから前見て」


慌てて窓の外に視線を移し
それでも虚勢を張ろうとしてしまうのは
長年の癖だろうか?



「もう前見てるよ?」



その言葉の真意を横目で確認して

また視線が交わって

いかにも勝ち誇ったように笑っている剛典。

それでも心地良いと感じる自分に驚いていた。



握られた手だって

嬉しくて仕方ない。





人を好きになるって、純粋に恋愛をするって

こんな感じだったと思い出していた。



 

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設定タグ:岩田剛典 , 三代目 , 登坂広臣   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - kotanonさん» 更新遅くなってすみません^^;ありがとうございます!3も、お付き合い頂ければ嬉しいです^^♪ (2020年6月24日 7時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
kotanon(プロフ) - 空さ〜ん☆更新ありがとうございます!! これからの展開も楽しみにしてます♪♪ (2020年6月24日 0時) (レス) id: 3c70e90779 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ねーやんさん» お久しぶりです!お手間とらせてすみません^^;移行になります!よかったらまたよろしくお願いします^^ (2020年6月23日 10時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ユキさん» 行きましたよ―笑ついでにATMもww (2020年6月23日 10時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
ねーやん(プロフ) - わ…びっくりしました(笑)お久しぶりです。久々すぎても一度読み返しまーす(笑) (2020年6月21日 22時) (レス) id: 8f158f058f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年3月8日 16時

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