088 side T ページ38
“ごめん、先約が在るの”
簡単にしっぽを振る様な女じゃない事なんて
最初から解ってるんだよ。
クールに見えて情に厚い事も
強く見えていじらしいって事も。
「小林さん。
副社長が秘書を好きになったら…
まずいと思う？」
初めて知ったその身体。
勢いだったかもしれないし
Aにしてみれば
それでも
繋がった瞬間、心も繋がった気がしていた。
「まずいとは思いませんが
それ以上の関係になるのであれば
苦労なさるのはAさんだと思います」
小林さんの言葉に見えた、俺達の現実。
肩書が、重くのしかかる。
副社長と秘書。
恋人になれたとして、社にその関係が知れ渡ったら
Aが叩かれるのは目に見えている。
“俺、Aが…”
あの時、俺の口は塞がれた。
Aは、それを見越していたと言う事か？
だけど。
“お疲れ。今日は残業しなくていいよ”
その顔は、確実に傷付いていた。
「ただ…坊っちゃんが次の恋に進んだ事は
心から嬉しく思います」
“あなたなら……
……どんな状況でも守れたはずよ”
“逃げたのよ。あなたは…”
“Aが居ないと…
俺、落ち着かないみたいなんだよね”
電話が繋がる事はなかった。
その代りに届いた短いメッセージ。
―A借りるから―
「…っ！！」
身体中の血液が頭に上ったのが分かった。
どう言う事だ？
何で臣さんと一緒に居るんだよ。
勢いのまま送信者の名前を表示させ
通話ボタンを押しかけてハッと気づき
生唾を飲んだ。
“臣さん。お願いがあります。
明後日…俺に紗希を貸してもらえませんか？”
“返せよ？”
“…それは、紗希次第っすけど？”
何とも言い難い感情に襲われていた。
“酷い
“最高の
きっとこの瞬間
Aの中に俺は存在していない。
心臓が、バクバクし出している。
何年も臣さんを想い続けていたAの心が
俺には痛いほど共感する事が出来て
叶わないからこそ
消化出来ないからこそ
その想い出は
美化され
生き続ける。
“ずっと好きだったんだ、彼女の事”
その難しさを体感した事がある俺は
苦しかった…。
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空(プロフ) - kotanonさん» 更新遅くなってすみません^^;ありがとうございます！３も、お付き合い頂ければ嬉しいです＾＾♪ (2020年6月24日 7時) (
レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
kotanon(プロフ) - 空さ〜ん☆更新ありがとうございます！！ これからの展開も楽しみにしてます♪♪ (2020年6月24日 0時) (レス) id: 3c70e90779 (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - ねーやんさん» お久しぶりです！お手間とらせてすみません^^;移行になります！よかったらまたよろしくお願いします＾＾ (2020年6月23日 10時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - ユキさん» 行きましたよ―笑ついでにATMもｗｗ (2020年6月23日 10時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
ねーやん(プロフ) - わ…びっくりしました(笑)お久しぶりです。久々すぎても一度読み返しまーす(笑) (2020年6月21日 22時) (レス) id: 8f158f058f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空
| 作成日時：2020年3月8日 16時
