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「A、それは違う。
俺が不甲斐ないばっかりに…」
「違う。剛典のせいじゃないから…」
キャリアぶって、かっこつけて
優秀な秘書？
剛典の傘になる？
何一つこなせてないじゃない。
「私の詰めが甘かった。
剛典にも会社にも
ご迷惑お掛けして申し訳ございませんでした」
「A、そういう強がり、もういいから」
どくんと心臓が鳴った。
反射的に剛典から離れようとしていたのは
その勢いのせいかもしれない。
とっくに“鎧”は脱がされたはずなのに
身に染み込んでしまっている虚勢と言う習慣は
その鎧を必死に探そうとしていた。
「A」
足掻こうとする私を、その瞳が捉える。
―怖かっただろ？
―それでも俺を守ろうとしてくれてたんだろ？
―でもねA。
―怖い時は怖いって
助けて欲しい時は助けて欲しいって
言っていいんだよ？
「どんな時でも、真っ先に俺に甘えて欲しい…」
裸の心に
その言葉がじんわりと染み込んで行った。
自分の足で生きて行くと心に決めていた私は
誰かに甘えるなんて事、もう何年もしていない。
甘え方だって分からない。
多分剛典は
そんな私が甘えやすい様に
間口を広げてくれているんだろうけど
「…感情論なんて必要ないわ」
突っぱねる事しか出来なかった。
「俺には甘えないって事？」
「……」
「その
剛典の視線の先にある
灰皿代わりにしたガラスの小皿。
片づけておくべきだった。
新たな詰めの甘さが露呈され
もはや何が虚勢なのかも分らなくなっていた。
「…USBの電池を抜いてくれただけよ」
「一晩掛けて？」
そんな訳ないと言いかけて
なぜ一晩中
広臣がここに居た事を知っているのかと聞きかけて
…言葉を飲み込んだ。
考えるまでもない。
部屋にはまだ、ウッディーな香りが残っている。
「…遇ったの？」
「背中見ただけだけどね？」
そのニアミスに
肩の力が抜け落ち、息が漏れた。
「臣さんと…どういう関係？」
「どういうって、クライアント…」
「………だけじゃないよね？」
どうせなら鉢合わせでもして
広臣が説明してくれれば良かったのになんて思うのは
都合の良過ぎる話だろうか。
「…昔、恋人だった」
「そか…」
ソファーのスプリングが揺れた。
ゆっくりと視界が動き
映る景色は私を見下ろす剛典と天井。
「…やっぱ、会わせなければ良かった」
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空(プロフ) - kotanonさん» 更新遅くなってすみません^^;ありがとうございます！３も、お付き合い頂ければ嬉しいです＾＾♪ (2020年6月24日 7時) (
レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
kotanon(プロフ) - 空さ〜ん☆更新ありがとうございます！！ これからの展開も楽しみにしてます♪♪ (2020年6月24日 0時) (レス) id: 3c70e90779 (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - ねーやんさん» お久しぶりです！お手間とらせてすみません^^;移行になります！よかったらまたよろしくお願いします＾＾ (2020年6月23日 10時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - ユキさん» 行きましたよ―笑ついでにATMもｗｗ (2020年6月23日 10時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
ねーやん(プロフ) - わ…びっくりしました(笑)お久しぶりです。久々すぎても一度読み返しまーす(笑) (2020年6月21日 22時) (レス) id: 8f158f058f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空
| 作成日時：2020年3月8日 16時
