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副社長が
現在籍を置いている職場を退社するその日。


携わっていたプロジェクトのメンバーで
打ち上げがあると連絡が入った。


プロジェクトは見事成功を納め
社内表彰までされた副社長。


「俺も最後に楽しんで来るから
 Aさんも早く帰って休んでね?」

「了解しました。お気を付け下さい」


週明けの就任日まであと2日。

電話を切り、私はマンションに向かった。









「日曜、休んじゃダメかな?」


それは今週の頭。

こんな大事な時に何を言い出すかと
反射的に異議を申し立てようとした私は

得意な人たらし(・・・・)の顔付きで
無邪気さを装うその瞳の奥底に

微かな悲壮感が存在している事に気づいてしまった。



“…紗希”

私の膝の上でそう囁いた副社長。



「解りました。土曜は必ずお時間調整下さい」



私も随分と甘い判断をしたものだ。


思わず了承してしまったものの

日曜に準備が出来ないとなれば
副社長本人の準備期間は明日一日のみ。


出来る事はなるべく済ませておきたい。



“Aさんも早く帰って休んでね?”
“了解しました。お気を付け下さい”



私は一人、こちら(・・・)の鍵を開けた。





 



 


無駄に広いこの部屋は
就任と同時に退散する予定だったが

“使いやすいから”という副社長の一言で
このまま残す事になった。





眼下に広がる夜の東京。


私が憧れていた大都会東京の夜の顔。




25時。


どうせ明日も早くにここへ来なければならない。

万が一の為の着替えも一式用意してある。



帰宅するか、寝室の誘惑に甘えるか。



広がる夜景を眺めながら考えを巡らせていたら

エントランスの解錠音が無音の部屋に響いた。


「…え?」




鍵を持っているのはもちろん私たち三人。


数分経って、部屋の鍵がカチャっと音を立てた。

慌てて玄関へ向かい、その顔に驚いた。




「…剛典さん、どうなさったんですか?」


「A…さん…」








どう言う事だ。




気付けば私は




副社長に酷くしっかりと抱きしめられていた。





 

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設定タグ:三代目 , 岩田剛典 , 登坂広臣   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - ユキさん» さらっといい男感出してみましたw続きもよろしくお願いします! (2020年3月9日 12時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ねーやんさん» あははw揺れまくってますよー^^続きもよろしくお願いします! (2020年3月9日 12時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 臣ポメ君(///ω///)♪ (2020年3月9日 11時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
ねーやん(プロフ) - 早く私素直になって!6年たったのにヤバい…臣も歳とってるんだから好みも変わってるはず(笑)ギャップで責めても一度恋人同士になれますよーに! (2020年3月9日 11時) (レス) id: 8f158f058f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - みーやんさん» コメントありがとうございます!!本当に嬉しいです!!そろそろ移行の予定ですがよろしければお付き合いくださいね^^ (2020年3月8日 21時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年2月24日 10時

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