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就任パーティーは
会長の意向で大々的に行われた。



剛典同様、私もここでは新米だ。


招待者名簿を確認し
小林さんの力を借りながら

企業名と敬称、名前と顔、過去の実績や関連性
その他押さえておくべきポイントを
これまで何度も頭に叩き込んで来た。


小林さん無しでは成り立たない作業。


剛典に恥をかかせる事がないよう、
面目が潰れないよう、

気を引き締めながら記憶する。




会場には300人を超える出席者。

顔ぶれを確認しながら
叩きこんだデータを復唱する。


ごく稀に
実物とデータでの顔がかけ離れている方もいて

加工技術の進化を崇めながら
加工前の顔を上書きした。



剛典の傍を片時も離れなかった私。



用意した名刺はほぼ無くなったが
叩きこんだ知識を一度も使う事がなかった。


私が記憶した事を、剛典は全て把握していた。



それどころではない。



「ゴルフがご趣味と伺いましたが
 僕も興味があるんです。
 よろしければお伴させて頂けませんか?」


「論文拝見させて頂きました。
 僕も大学で専攻しておりまして…」



それ以上の事まで。



「A、疲れてない?」
「…いえ?」
「もう少しで終わるからね」


そう言って私の肩に手を当てた剛典。

“大丈夫だよ”


その言葉に、笑顔で応えた自分に驚いた。


少し前の私なら

その言葉を
“私が居なくても大丈夫だ”と受け取ったはず。

優しさを侮辱と感じ
プライドがズタズタになっていただろう。



ん?

ちょっと待って。


“A、疲れてない?”


剛典さん(・・・・)、オフィシャルです」
「気付くの遅っ!」



「あっ…」


まだ口を付けていなかったシャンパンが
グラスの縁を遊んだ。



「はい、A」


うそ……


「もう見つけたの?」


差し出されたシルクのハンカチ。


「Aの字、綺麗だよね?」





心が一瞬跳ねたのは




“人たらし”の顔のせい。


 

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設定タグ:三代目 , 岩田剛典 , 登坂広臣   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - ユキさん» さらっといい男感出してみましたw続きもよろしくお願いします! (2020年3月9日 12時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ねーやんさん» あははw揺れまくってますよー^^続きもよろしくお願いします! (2020年3月9日 12時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 臣ポメ君(///ω///)♪ (2020年3月9日 11時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
ねーやん(プロフ) - 早く私素直になって!6年たったのにヤバい…臣も歳とってるんだから好みも変わってるはず(笑)ギャップで責めても一度恋人同士になれますよーに! (2020年3月9日 11時) (レス) id: 8f158f058f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - みーやんさん» コメントありがとうございます!!本当に嬉しいです!!そろそろ移行の予定ですがよろしければお付き合いくださいね^^ (2020年3月8日 21時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年2月24日 10時

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