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016 side T ページ16

“じゃーな、紗希”

“うん、明日ね!”






 

 




「片思い…終わらせて来た」



自分で決断したはずなのに

まさかこんなにまでダメージを受けるとは想像できなかった。




ダウンライトの明かりが

キャンドルの様に温かく感じたのは


きっと

俺を見上げるAさんの瞳が

涙ごと受け入れてくれる、そう感じたからだ。



「剛典さん…」



 ―――泣いてもいいのよ?


俺を撫でた手が、そう言った気がした。


「おかえりなさい」


その腕の中で涙を堪える事は不可能だった。




誰かに抱きしめられると言う事は

いとも簡単に自分の弱さをさらけ出してしまう程

心に染みるという事を



俺はその日初めて知った。




“俺が帰って来るまでここに居てくれない?”




情けないほど感じてしまう心地よさに

……後悔していた。




別れとは違う苦しさ。
誰かにすがろうとした弱さ。


俺は、Aさんに何を求めたんだ?

いつからここに居てくれた?

連絡一つしなかったのに
なんでこんな時間までここに居たんだよ。


女性(おんな)に抱きしめられながら泣くとか…




「んっ…」


拒む事なく漏らしたその声に
俺は勢い付いてしまった。




キャンドルの明かりを浴びるその身体は

酷く妖艶だった。



知り得るはずの無い肌の質感。

その肌理(きめ)の細やかさや柔らかさに

全ての意識が集中していたはずだった。



なのに…





 


“広臣”



 



紗希が

あの夜の様に

脳裏でそう囁いた。


その姿が、Aさんに重なって見えた。




「………ごめん、俺…」


逃げ込もうとした俺を止めた想い人。


「お気になさらず。
 この程度(・・・・)の事で動じる程、清くありませんから」


はだけたシャツのボタンを締めながら
何食わぬ顔でそう微笑んだAさん。


「ははっ。流石だねAさん」


なんだよそれ。
かっこ良過ぎじゃねーの?




悔しいけど

情けないかもしれないけど




今なら

彼女になら



全てをさらけ出せる気がした。




「彼女を幸せに出来る人は俺じゃない」




自宅に残る紗希との思い出にすら
情けない俺を晒せなかったけど



「かっこ悪いでしょ?俺」


どんな俺でも


Aさんになら


きっと、受け入れて貰えるんじゃないか…





「かっこ悪いと言うより…


 随分と薄っぺらい話だと思います」


 

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設定タグ:三代目 , 岩田剛典 , 登坂広臣   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - ユキさん» さらっといい男感出してみましたw続きもよろしくお願いします! (2020年3月9日 12時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ねーやんさん» あははw揺れまくってますよー^^続きもよろしくお願いします! (2020年3月9日 12時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 臣ポメ君(///ω///)♪ (2020年3月9日 11時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
ねーやん(プロフ) - 早く私素直になって!6年たったのにヤバい…臣も歳とってるんだから好みも変わってるはず(笑)ギャップで責めても一度恋人同士になれますよーに! (2020年3月9日 11時) (レス) id: 8f158f058f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - みーやんさん» コメントありがとうございます!!本当に嬉しいです!!そろそろ移行の予定ですがよろしければお付き合いくださいね^^ (2020年3月8日 21時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年2月24日 10時

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