118 side R：ぬるい言葉と泣き虫 ページ18
「幼馴染、もう終わりな」
「…うん」
「恋人から始める？」
「…うん」
「だったら、いいよな？」
「………うん」
“…いいんだな？”
“…うん”
“やめんなら今だぞ”
“…いいって言ってるでしょ”
もう二度と、Aを抱く事ないと
あの日はそう思っていた。
「隆二…」
「A…」
Aが愛おしくて堪らない。
“…だったら、俺とも出来るってこと？”
あの日、
俺がその名前を囁こうとするたびに
Aは俺を塞いでいた。
それこそが大人の関係だと言わんばかりに
一度たりとも
その名前を呼ばせては貰えなかった。
それはAも同じで
ただ、たった一度だけ、
果てる直前、
とうとう俺の名前を叫んだあの日のA。
あの瞬間ほど
Aが呼ぶ俺の名前に苦しみを感じた事は無い。
そして今、
「隆二…」
吐息の様にAが囁く俺の名前に
この上なく胸が熱くなっている。
「A、…好きだよ」
Aの名前を呼んで
それだけで満たされるこの感覚。
「…ふふ、ぬるい言葉」
「…うるせーよ。泣き虫」
ぬるい言葉を吐きながら
泣き虫と言い続けた過去に苦笑いをした。
Aは当然、知る由も無いけど
泣き虫という台詞は
Aの幼馴染であり続ける為に
言葉に出来ない想いを乗せた苦肉の台詞だった。
「A…、マジで好き」
「…私も」
もう二度と、Aを抱く事ないと
あの日はそう思っていた。
だからあの日、俺はAを必死に辿った。
記憶に、Aの全てを刻みながら
Aにも俺を刻み込みたかった。
「隆二…」
くぐもった声。
零れる吐息。
白い肌は薄桃色に色付き
しっとりと汗ばんでいく。
その後、何度か果てたAが
なぜか恨めしそうに俺を睨んでいる。
「なに？」
「…なんか悔しい」
「なにが」
「……」
満ち足りる優越感。
Aが、愛おしくて堪らない。
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ユキ(プロフ) - 空さん» 完結お疲れ様でしたまた次回作も楽しみにしてます😉♥️ (2023年1月28日 1時) (
レス) id: e86d7cf610 (このIDを非表示/違反報告)
kota(プロフ) - 空さん、また一つ素敵な作品の完結おめでとうございます✨こちらこそ毎回コメントにレスをしてもらって嬉しかったです。臣、隆二、岩田と読むたびに心が傾き三人三様を堪能できました。もう一度はじめから読み返します😌片想い日記anserも楽しんで読んでます。 (2023年1月27日 22時) (レス) @page50 id: b7bba7af23 (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - kotaさん» 完結しました！kotaさんの感想を沢山聞けて本気で嬉しかったです！ALL LOVE！お付き合い頂いて本当にありがとうございました！！ (2023年1月27日 8時) (レス) id: 3e00d8d8fe (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - ユキさん» 機会が合えばですかね^^；完結しました！お付き合い頂いてありがとうございました！ (2023年1月27日 8時) (レス) id: 3e00d8d8fe (このIDを非表示/違反報告)
kota(プロフ) - ALL LOVE😍まさに皆の愛に包まれてWedding🔔 サプライズ❤ (2023年1月24日 21時) (レス) @page47 id: b7bba7af23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空
| 作成日時：2022年12月5日 15時
