Scramble LOVER -夜半の約束

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あの時の疑問が

見えた。


行方不明になっていたジグソーパズルのピースが

見つかった感覚がしている。




　“車と接触したと聞いた時は本当に驚きました”




インターホンが鳴ったのは
自分の部屋に戻り、荷物を降ろす前だった。

ドアを開けたら広臣が居た。



「おう。誰か来てなかった？」

「隆二の職場の人。お見舞いだって。
　…ねぇ広臣、隆二の怪我、
　車と接触したって、知ってた？」




返事がないのが答えだ。



あとは、最後のピースを残すだけ。




「どこで事故に遭ったの？
　もしかして私が関係してる？」

「関係ないよ。
　Aが心配するだろうと思って
　だから階段から落ちた事にしただけだから」




　“どこの階段か聞いた？”

　“……聞いてないけど
　 仕方ねーから行ってやるか”




「広臣。事故、どこで？」

「隆二の職場の近く」

「本当？」

「ほんとだよ」






多分、最後のピースはすり替えられた。






本物ピースに型紙を当てて

それに合わせて作り直したピースを

私は渡されただけだ。






だって。

だったらなんで電話の時、


広臣は私の手を握ったの？

なんでその後、私を抱き締めたの？




「……」




鞄の中で、スマホが震えていた。


着信は隆二からで、

職場の人が帰ったという報告と、
空腹の訴えだった。




「何だって？」
「…お腹空いたって」

「飯作んの？」
「…うん。約束してて。広臣も食べる？」

「食べる。めっちゃ腹減ってた」

「…分かった。
　作ったら持って行くから先行ってて」








私が心配するだろうから。


だからすり替えた、が正解なんでしょ？









「なぁA」
「ん？」








だから。






だったら(・・・・)なんで、私を抱きしめるのよ。







「察してやれ。俺たちもう、大人なんだから」











それが本当に大人なの？


それが正しいの？






広臣、私分かんない。



　

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