Scramble LOVER -夜半の約束

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昼食後。


午後の業務にはまだ時間があったけど

13時に備え、
一足先にミーティングルームに向かったら
既に岩田が居た。




「早いのね」
「まあね。そうだ、確認したい事があるんだけど」




岩田が開いたノートパソコン。

覗き込んだら、腰を抑え込まれた。




「ちょっと、職場でやめて」




幼稚なトラップに引っかかってしまった自分に

ため息が出たその直後。




「どうだった？久しぶりの元カレ(・・・)」

「…え」




うそ、
どういう事？

私たちを見たってこと？


だとしたら、
分かっててメールの返事を遅らせたの？





　― 行ってもいい？
　― どうした？




なにソレ。
なにがどうだった、よ。


そっちこそどうだったのよ。


……。


…どうでもいいけど。





「返事、何で寄越さなかった？」
「…気付いたの朝だったし」

「へー。朝まで可愛がってもらったんだ」
「違うから。…送って貰っただけ」





結果論で言うならば、嘘は言っていない。

なのに、何なのこの後ろめたさ。




「マンション、教えたんだ」

「同級生だって事がバレたの。その流れで…、
　てか岩田だって…」



そうよ。
私だけじゃないじゃない。

自分だってあの子と、



……。



そう思う事で、
後ろめたさから逃れようとしている自分に気付いた。




「俺がなに？あの女と歩いてる所でも見た？」




…自分で言っちゃうんだ。



でもそうよね。

だからって何の問題もないし、
問い正す間柄でもない。


だから私の事も放っておいてよ。





「……離して。資料確認したいの」





後頭部を抑え込まれたのはその直後。




荒々しく与えられた熱は
ある意味岩田らしい熱なのに

咄嗟に誰かと比較してしまった私は

違う、と、思っていた。



　

050　Message by SORA→←048

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