047 ページ47
目が覚めたのは
アラームの前だった。
隣では
顔の半分まで布団をかぶった広臣が
深い寝息を立てている。
“広臣、まって…”
“…なに”
ブラウスのボタンを上から順に外されるごとに
私の心は容赦なく昂って行った。
袖から腕を抜く片手間で背中に手が回り
瞬間的に解放された胸部はすぐに覆われ
疼きが走る。
私を熟知している広臣が辿る道筋は
どれも甘美な刺激で
そもそも、
私を開拓したのは広臣なんだからそれも当然の話。
敵う訳がない。
倫理がどうとか
自分が最低だとか
そんな事を考える隙間すら奪い取られていた。
陶酔していた。
けれど。
「ごめんA、やっぱ俺…」
広臣は私を
最低な女にはしてくれなかった。
お互いの熱はかなり高まっていたにも拘らず
その動きを止めた広臣。
頬に添えられた手は熱く震えていた。
何に対してのごめんなのか
逆上せた頭では理解する事が出来ず
ぼんやりとその顔を見上げる事しか出来ない。
治まり切らない熱量と戦いながら
苦しそうに私を見つめた広臣は
横たわる私の上半身を抱き起し、
脱ぎ捨てた自分のYシャツで私の身体を包んだ。
Yシャツごと抱きしめられ
改めて感じる香りと体温。
「ごめん。
けじめ？
「告白して、返事貰ってからにする」
回路が切り替わったのは一瞬だった。
確かに呼吸はまだ乱れているけど
さっきまでの乱れ方とは全くの別物。
「A…」
両肩に添えられた広臣の手。
まだ冷め止まぬ熱を含んだ瞳で見つめられ
息を殺す。
…どうしよう。
“責任取れなんて言わないから安心しろ。
俺たちもう、大人なんだから”
だからこそ成り立っていたのに。
急激な緊張に打ちひしがれる私に
観念したように微笑んだ広臣が
触れるだけのキスをした。
「プロジェクト終結したら、告白させて」
え、
まって。
それって既にしてるようなモノじゃないの？
「それまで我慢する」
混乱する私とは対照的に広臣は妙に清々しくて
反応に困った。
「今返事貰ったら断られそうだし」
そう言いながら私の腕をYシャツに通し
今度は下から
ひとつひとつ丁寧に両手でボタンを掛けている。
上から3つ目は
随分と名残惜しそうに閉めていた。
「だから、俺が告白するまで、
Aの頭の中、俺でいっぱいにしといて」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 315人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「登坂広臣」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
空(プロフ) - ユキさん» 遅くなってすみません( ；∀；)ミニタオル、良かったですね！ (2022年9月1日 18時) (
レス) id: 3e00d8d8fe (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - ねーやんさん» 遅くなりました^^;移行準備が整いましたので公開しました！お暇なときにまた読んで頂けると嬉しいです！ (2022年9月1日 18時) (レス) id: 3e00d8d8fe (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 空さん» TAKAHIROさんと世界君とテツヤさんとミニタオル無事に買えました😄♥️ (2022年8月2日 7時) (レス) id: e86d7cf610 (このIDを非表示/違反報告)
ねーやん(プロフ) - 臣の思う壺😂やっぱ岩田じゃ満たされません笑移行楽しみに待ってます😊 (2022年8月1日 17時) (レス) @page49 id: 5188de096f (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - ユキさん» お目当ての物GET出来ましたか？ (2022年8月1日 10時) (レス) id: 3e00d8d8fe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2022年6月25日 21時
