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013 side you:大人の女性 ページ13

林さんに再会したのは
それから数日後。

亜樹と飲んだ帰り道での事だった。




「Aさん?」

「あ、林さん…こんばんは」




相変わらず綺麗だ。

そして相変わらず、大人を纏っている。




今日は(・・・)一人なの?」

「…はい。友達と飲んだ帰りです」

「そう。まさか、
 迎えに来てなんて言わないわよね?」




 “登坂君を解放してあげて”




「言いません。…あの、私、
 広臣の恋人じゃないですから…」




これは、大人を纏う林さんへの

精一杯の敬意と

精一杯の強がり。




「だからなに?」

「だから、……私には、お気遣いなく…」




言ってる傍から虚しくなった。




そんな私に、予期せず呆気に取られた林さんが

分かり易く消沈の溜め息をつく。




「…なんだ。
 思ってた以上に子どもだったのね。

 なるほど。だから登坂君、
 あなたを放っておけないって訳ね」





大人の女性に子どもだと指摘され

一番痛い所を突かれ

返す言葉が見つからない。





「私が彼に好意を持っていると思ったの?」

「……違う、んですか?」

「中学生でもあるまい。異性っていうだけで
 色恋に結び付ける発想が子どもなのよ」





心の奥がカサカサと音を立て始めた。


だったら林さんは
なぜあんなことを言ったのか。


いい予感なんて何も浮かばない。

逃げ出せるものなら逃げ出したい。





「そんな次元の話じゃないの。

 彼、自分で発案した企画を
 残業を避けたいからって私に譲ったのよ。

 やっと通った企画なのに。何でか分かる?」





 “いいんだよ。
  俺たちが勝手にやってるんだから”





「ストーカーに遭った友人って、あなたよね?」












拒絶反応がまた起きていた。


私は何をやっているんだろう。





守られてばかり。


頼ってばかり。










「林さん、それって広臣はもう…」



「無理よ。

 でもねAさん、また必ずチャンスがある。

 だから、今のうちに彼を解放してあげて」




 

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設定タグ:登坂広臣 , 今市隆二 , 岩田剛典   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - ユキさん» 遅くなってすみません( ;∀;)ミニタオル、良かったですね! (2022年9月1日 18時) (レス) id: 3e00d8d8fe (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ねーやんさん» 遅くなりました^^;移行準備が整いましたので公開しました!お暇なときにまた読んで頂けると嬉しいです! (2022年9月1日 18時) (レス) id: 3e00d8d8fe (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 空さん» TAKAHIROさんと世界君とテツヤさんとミニタオル無事に買えました😄♥️ (2022年8月2日 7時) (レス) id: e86d7cf610 (このIDを非表示/違反報告)
ねーやん(プロフ) - 臣の思う壺😂やっぱ岩田じゃ満たされません笑移行楽しみに待ってます😊 (2022年8月1日 17時) (レス) @page49 id: 5188de096f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ユキさん» お目当ての物GET出来ましたか? (2022年8月1日 10時) (レス) id: 3e00d8d8fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年6月25日 21時

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