043 side you：バグ ページ43
私の言語処理機能は
バグっているのだろうか。
“俺は、白の方が好きかな”
その言葉を、
告白されたかのように誤読してしまう。
家に帰ってからも
言葉を正確に処理する事が出来ずにいた。
白の方が好きだと言っただけ。
白い浴衣の方が好きだと言われただけ。
浴衣の話。
そう。
私じゃなくて浴衣の話。
「……」
一刻も早く処理機能を修復するべきなのに
その作業に
私は随分と手古摺っていた。
あと少しで修復完了という所まで辿り着く度、
さっきの隆二の表情が頭に浮かび、邪魔をする。
ホームランボールをプレゼントしてくれた隆二の笑顔が
邪魔をする。
“ほら！プゼント！”
“Aに打ったホームランだから”
ダメだ。
自意識が過ぎる。
たぶん私、長年の願望のせいで
隆二の言葉を都合よく変換しているだけだ。
私たち幼馴染だし。
それに花火大会のあと
隆二、亜樹を誘ったみたいだし。
“俺は、白の方が好きかな”
白の方が好きだと言っただけ。
白い浴衣の方が好きだと言われただけ。
浴衣の話。
そう。
私じゃなくて浴衣の話。
そんな中、スマホが点滅している事に気付き、
画面にあった名前は
広臣だった。
「もしもし、A？」
「広臣…」
「声、聞きたくなってさ。今大丈夫？」
「うん…」
「良かった。なにしてた？」
嬉しいのに、苦しい意味が分らない。
広臣の声を聞いたら何かが込み上げて来て、
慌てて口元を手で覆った。
そしたら、
手首から広臣の香りがした。
「…香水」
「ん？」
「香水、香ってた」
どこか大人っぽい、
深くて、それでいて爽やかな香り。
「香水、つけてくれたの？」
「…うん」
「そか。結構嬉しいかも」
ひどく温かな声に聞こえた。
その温かさが、心に染みる思いだった。
「A、明日俺、練習試合なんだけどさ、
観に来てくれないかな」
分かれ道の手前で立ち尽くす私に
広臣が「おいで」と言ってくれている様に思えた。
あの日、
私をカラオケに連れて行ってくれたあの日の様に、
立ち止まっている私の手を、
広臣が優しく引いてくれた時のように。
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ユキ(プロフ) - 空さん» 隆二さん11月にアルバムも出ますね😄♥️ (2022年6月4日 9時) (
レス) id: e86d7cf610 (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - ユキさん» 販売延期になったみたいですよね；；どんな香か香ってみたいです^^ (2022年6月3日 21時) (レス) id: 3e00d8d8fe (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 空さん» 明日からライブですね隆二さんの香水もグッズに出ますね😄リリーって百合の花ですよね😉♥️ (2022年6月3日 15時) (レス) id: e86d7cf610 (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - ユキさん» ですねですね(*^-^*)パケも素敵でしたよね^^ (2022年6月3日 14時) (レス) id: 3e00d8d8fe (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 空さん» 臣ポメ君の香水ってメンプロでもありましたね😉♥️ (2022年6月2日 22時) (レス) @page43 id: e86d7cf610 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空
| 作成日時：2022年5月27日 18時
