034 side H：ピンクとレモン ページ34
「亜樹に一つあげてもいい？」
「もちろん。あ、来たんじゃね？」
人波の奥の方にブロンド色の頭を見つけ
Aの顔に安堵が浮かぶ。
そして、隆二が差し出した黄色いトロピカルジュースを
嬉しそうに受け取ったA。
「A、レモンで良かった？」
「うん、レモンが良かった」
Aに問いかけた亜樹ちゃんが
独り言をつぶやくように小さな声で
ホントだ、と言った。
「亜樹、ヨーヨーどっちがいい？」
「えっ、私のも取ってくれたの？」
「広臣が二個釣りしたの」
「えー！すごいね臣君！」
亜樹ちゃんはピンクを選んだ。
「貰っちゃった」
そう言って
ピンクのヨーヨーを見せた亜樹ちゃんに
「良かったね」と応えた隆二。
そのやり取りを
Aは、笑顔で眺めていたけど
俺には泣き顔に見えた。
花火は既に、本格的に上がり出している。
大輪の菊や大柳が夜空を彩る中、
俺たちは、
いまさら見物場所を探し回っていた。
「空いてねーな」
落ち合った時とは違い
隆二の隣には亜樹ちゃんが居て
その後ろを、俺とAが並んで歩いている。
時折、亜樹ちゃんの足元を気に掛ける隆二。
その度に、照れながらも
嬉しそうに隆二を見上げる亜樹ちゃん。
「A、ピンクあげて良かったの？」
「うん。亜樹ピンク好きだし、紫も可愛いし！」
そう言いながら紫のヨーヨーをチラつかせ、
トロピカルジュースのストローを
満足げに口に運んだ。
「…レモン、好きなの？」
「うん。あ、でも本当はブルーハワイが好きなの。
けどあれって、色付いちゃうじゃん？」
レモンを買って来たという訳か。
「なるほどね」
モヤモヤしていた。
ピンクの水ヨーヨーを
亜樹ちゃんが好きな色だからと言って譲ったA。
的確にレモンを選べるのに
亜樹ちゃんだけの足元を気に掛ける隆二。
それって正解なの？
それでいいの？
“A、ピンクあげて良かったの？”
“うん。亜樹ピンク好きだし、紫も可愛いし！”
“なぁ隆二、どっちが好み？”
“俺は、…わかんねーや”
「きゃっ、あ、すみません」
Aが人とぶつかって、その手を握った。
「えっ、広臣？」
欲しかったくせに欲しかったものを譲る。
分かっているくせに分かろうとしない。
「混んで来たから、離すなよ」
俺は、そんなのごめんだ。
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ユキ(プロフ) - 空さん» 隆二さん11月にアルバムも出ますね😄♥️ (2022年6月4日 9時) (
レス) id: e86d7cf610 (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - ユキさん» 販売延期になったみたいですよね；；どんな香か香ってみたいです^^ (2022年6月3日 21時) (レス) id: 3e00d8d8fe (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 空さん» 明日からライブですね隆二さんの香水もグッズに出ますね😄リリーって百合の花ですよね😉♥️ (2022年6月3日 15時) (レス) id: e86d7cf610 (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - ユキさん» ですねですね(*^-^*)パケも素敵でしたよね^^ (2022年6月3日 14時) (レス) id: 3e00d8d8fe (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 空さん» 臣ポメ君の香水ってメンプロでもありましたね😉♥️ (2022年6月2日 22時) (レス) @page43 id: e86d7cf610 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空
| 作成日時：2022年5月27日 18時
