060 ページ10
“あれ？聞いてない？
岩田クンがA守った話”
優奈の言い回しだと
微妙に語弊がある気がするけど
まさに語弊があるまま受け取ったであろう
登坂の表情。
「ざまぁ見ろよ河本！
ほんっと岩田クンかっこ良かったんだから！
現場にいなかったけど！！」
「いなかったんすか！」
正しく伝わって
優奈にも笑いながら突っ込んでるけど
全然笑ってない。
その目が、無言で私を拘束した。
――了解。
頷くしかなかった。
「じゃーねA！またね！」
「ありがとう！またいつか！」
優奈たちと別れ、ホテルへの帰り路。
「そっち行っていい？」
「いいけど、なに怒ってるの？」
「怒ってねーよ」
あからさまに不機嫌なクセに
怒ってないって逆にどういう事よ。
ため息が出た。
部屋に戻るなり
ネクタイを外しながら
どっぷりとベッドに腰を下ろした登坂。
「A、こっち」
呼び寄せられるままベッドの端に座り
床の上の足は抱え上げられ
そこで向かい合う形を強制した登坂。
「昨日、何があった？」
「え？」
「岩田と、なんかあったろ？」
「さっき優奈が言ってたじゃない。
夜は二人で飲んだけど？」
「…質問変える」
一瞬も逸らされる事がない登坂の目力は
私の妙な緊張を煽る。
「なんで泣いた？」
―自分の部屋に、自力で戻れた事実が
―まるで奇跡だと思うくらい
―身体が震えていた。
「俺がココに来る前。なんで泣いてた？」
―部屋に入るなり
―我慢していた涙が溢れ出して来た。
「…別に…何も」
…言える訳がない。
岩田とキスして
色々思い出して
そのせいで
登坂の事が好き過ぎて苦しくて泣いたなんて
絶対言える訳がない。
「A、なんで今日ピアス片方してないの？」
「えっ…」
“そうだAさん、これ”
…忘れてた。
「
例えば、岩田の部屋、とか？」
動揺を表に出した私の負けだ。
「…岩田、酔っ払っちゃったのよ。
だから、部屋まで運んだ」
「おまえ一人で？」
「そうよ？」
「酔った
「だから、そうよ？」
「なぁ、もう少しまともな嘘つけねーの？」
「はっ？」
「一人で運べるわけねーだろ」
「……どう言う意味よ」
「
ごめん登坂。
もう疲れた。
「そう思いたいならご自由に」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 470人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
空(プロフ) - ユキさん» こちらこそありがとうございます！移行しました^^よければまたよろしくお願いします！ (2021年2月23日 20時) (
レス) id: e1512fbbe9 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 空さん» いつも沢山更新ありがとうございます今週から花粉も飛び初めましたけど体調には気を付けて下さいね(><) (2021年2月23日 9時) (レス) id: 5f63e3cc55 (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - kotaさん» 知らないと思ってこっそりです(//∇//)このあともよろしくお願いします^^♪ (2021年2月23日 9時) (レス) id: e1512fbbe9 (このIDを非表示/違反報告)
kota(プロフ) - くぅ〜σ(≧ω≦*)可愛いことしますね。隆二メロメロです。別れ道ドキドキする〜 (2021年2月22日 23時) (レス) id: 8448788f30 (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - ねーやんさん» 途中で思い出しちゃったんです、魔法の言葉(笑)今移行準備してます！そちらもよろしくお願いします！ (2021年2月22日 21時) (レス) id: e1512fbbe9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2021年2月6日 20時
