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平日のアラームが

こんなにもキラキラ聞こえるなんて。


「おはよ、A」
「おは、よ」





 “俺結構我慢してるつもりなんだけどさ…”
 “…ん

 “キス、しちゃダメ?”




昨夜。

何も答える事が出来なかった私に
隆二のキスが落ちた。


頬を撫でるように私の髪をかき上げ
顎に添えた手で私の角度を変え

ドキドキしながら重なった唇。


一度重なった後
はにかんだ隆二の目が

色を変えた。



正確には三度目だったそのキスに
容赦なく溶かされた私。



まさかこの部屋で
まさかこのソファーで

隆二と天井だけを視界に入れる日が来るなて
想像すらしていなかった。



その唇が私の首を這ったとき

玄関でガチャガチャと鳴る物音に

私たちは苦笑いをした。




「ねーちゃーーん!たっだいまーっ!!」

「おかえり。昂矢ボリュームうるさい。
 隆二、運ぶの手伝って!」

「ははっ、オッケー!」








 









「やっべ!遅刻だ!行くねA」
「いってらっしゃい」


ふふっ。



……。

思い出し笑いなんてしてる場合じゃない。


「やばっ、私も遅刻!!」








 


満員電車。

書類の山。


課長の小言とお局のイヤミが減った原因は



「AA!ビッグニュース!」
「なに?どうしたの健二郎」

「あの二人、付き合うてるらしいで」
「うっ…そ…!!」


しーーーッと顔をしかめた健二郎に
慌てて口を抑えた。


(不倫じゃん!)
(バレるもんなんや。社内の色恋は)


……。

私と登坂はバレてませんけど?
なんて事
言えるはずもなく。


(気付かれてへんと思っとるのは本人だけや)


……。

ま、不倫じゃないし?
もうその心配もないし?





あ。





二列向こうの島にいる人物と
久しぶりに目が合った。

一度だけ視線が合い、無表情で視線を反らす。



例えそこで、何かを読み取ったとしても

もう頷くべきではないと、解っている。



ただ。

 “話がしたい。今夜時間…くれませんか”

私にも話したい事があった。



「A、内線やで?」
「…え?あ、ありがとう」



話しておくべき事が。








「お電話かわりました。営業部矢吹です」

「…Aさん?私、分かりますか?」




聞き覚えのあるその声に
真っ先に感じたのは恐怖(・・)


背中に悪寒が走った。

何度も、
何度も。




「…何のご用かしら?中村さん」

「ふふ、何の用だと思います?」



 

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設定タグ:登坂広臣 , 今市隆二 , 岩田剛典   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - ユキさん» こちらこそありがとうございます!移行しました^^よければまたよろしくお願いします! (2021年2月23日 20時) (レス) id: e1512fbbe9 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 空さん» いつも沢山更新ありがとうございます今週から花粉も飛び初めましたけど体調には気を付けて下さいね(><) (2021年2月23日 9時) (レス) id: 5f63e3cc55 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - kotaさん» 知らないと思ってこっそりです(//∇//)このあともよろしくお願いします^^♪ (2021年2月23日 9時) (レス) id: e1512fbbe9 (このIDを非表示/違反報告)
kota(プロフ) - くぅ〜σ(≧ω≦*)可愛いことしますね。隆二メロメロです。別れ道ドキドキする〜 (2021年2月22日 23時) (レス) id: 8448788f30 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ねーやんさん» 途中で思い出しちゃったんです、魔法の言葉(笑)今移行準備してます!そちらもよろしくお願いします! (2021年2月22日 21時) (レス) id: e1512fbbe9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年2月6日 20時

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