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「A、話があんねん」
一度広臣に会釈した健二郎が私に視線を戻した。
思わず振りほどいてしまった広臣のその手。
「私は…ないかな…」
「A…俺、」
「もういいよ、健二郎…」
何を聞かなくたって答えはもう分かってる。
昨日と同じ衝撃を
改めて受けなければならないなんて
しんどすぎる。
「A…ほんま…ごめん」
突き刺さったその言葉。
“ごめん”が凶器になるなんて知らなかった。
「…私。行くね。
バイバイ、健二郎」
エレベーターの扉が閉まって
涙が溢れた。
頑張ったじゃん、私。
笑顔でバイバイ、出来たじゃん。
…本当に、終わったんだ。
やっと自室に帰ったのに
残されている健二郎の名残が目に付き
胸が苦しくなった。
健二郎のスリッパ…
健二郎のカップ…
健二郎の……………
この部屋には“健二郎”が多すぎる。
居たたまれなくなった私はゴミ袋を引っ張り出し
それら全てをぶち込んだ。
ラックの上のラジコン、めっちゃ邪魔だった。
パンパンになったクローゼット、やっとゆったり収納出来る。
増え続ける雑誌も、
いつ使うのか分からない工具箱も、
やっと、片付けられる。
でも。
処分した事で出来た空間は
まるで
ぽっかりと穴が開いた私の心のようで
余計に苦しくなった。
「…飲も」
そうだよ。
こんな時こそ飲んで潰れて
さっさと寝ちゃえばいいじゃん。
冷蔵庫の奥に追いやって居た日本酒を
グラスで半分、一気に飲んだ。
喉の奥が熱くなる感覚に奥歯を噛み締めながら
二杯目をグラスに注いだ。
早く酔いたい。
早く潰れたい。
…私。かっこ悪っ。
滲んだ視界。
ぐっと堪えて上を見上げたら
インターホンが鳴った。
「…あ」
…すっかり忘れてた。
「…ごめんね広臣。変なとこ見せちゃって」
「開けろ？」
「え？」
「いいから、開けろ」
そこに居る広臣の顔は昨夜と同じ顔で、
ひどく優しいその顔に
といとう堪え切れなくなった。
「…だからさ。貸してやるっつーの」
出会って二日
なのに私は
やっぱりこの腕の中に心地よさを感じてしまう。
・
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空(プロフ) - ユキさん» ありがとうございます＾＾ライブは、このお話の030での登坂さん風に“ご想像で”です(#^.^#) (2020年1月27日 16時) (
レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 空さんのストーリー大好きです三代目perfectyearライブは観に行く予定はありますか？私は京セラ観に行きたいけど倍率凄く高いですね(´；ω；｀) (2020年1月27日 12時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - ユキさん» 楽しんで頂ければ幸いです＾＾ (2020年1月26日 19時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 三代目メンバーのストーリー大好きです(*ゝω･*) (2020年1月26日 17時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - shireyさん» ありがとうございます(^^♪ (2020年1月26日 13時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空
| 作成日時：2020年1月18日 10時
