2月29日の喜日 (ページ3)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:1,001 hit

03. ページ3

おれが8月29日の来る方向をながめていると、8月29日らしき影がやってきた。

おれはそのまま8月29日を見ていたが、ようすがおかしい。

なぜか門のほうに来ることもなく、門の前を通りすぎてしまいそうなのだ。

「どういうことだ……？」

おれがそれを眺めていると、8月29日はほんとうに目の前を通りすぎた。

どういうことだろうか、門の反対側にある裏口から8月29日がどこに行くのかを眺めよう……と思ったおれが裏口に回ろうとすると、9月21日がおれを呼んだ。

「なにをしていたの」

「8月29日が門の前を通りすぎたんだ」

「ああ、あのひとはそういうひとだよ」

「どういうことだ」

「待っていればわかるよ」

8月29日はプレゼントでも買いに行くのだろうか。

それならば、なんとなくその行動の意味もわかるのだが。

おれがそうして9月21日の言うとおりに待っていると、キッチンからまどを叩くような、こんこんという音がした。

なんだか、気味がわるい。