【僕のヒーローアカデミア】転生・・また転生（女主）～３～ (ページ9)

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１０６話ページ9

ヒーロー名の後は職場体験をさせてもらう事務所決めだ。
体育祭を見ていたヒーロー事務所からスカウトをされた者は、そのリスト内から選ぶ。

Aは個性を明確にしていない為か、予想されたよりも少ない。
それでも、２５６ものヒーロー事務所からスカウトを受けたのは良い方だ。

その事でオールマイトから話があると言われる。
その真剣な眼差しからAは大事な話なのだと姿勢を正す。

「君の二つの力についてなんだが……」
『！』

彼は世間には無個性である事を秘密にしてほしいと頼んだ。
その内容は保健室で彼が考えたものをそのままAに話していく。

これ迄に彼女がしてきた努力や想いを無かったことに……傷つけると分かっていても言わねばならないとオールマイトは最後に謝るが、Aはシレッと返す。

『いいですよ』
「……え？」
「即答だな」

相澤の意外だという視線にAは何故か照れている。
怪訝そうに見る先生二人を前に彼女は気にする事なく笑いながら続ける。

『私が無個性でもヒーローになれると証明したかった相手は出久だけですから』
「そうなの？」

まさかの反応にビックリ……といった顔をするオールマイトに次はAが謝った。

『自分の事ばかりで、世間からの反応について深くは考えていませんでした。私の方こそすみませんでした』
「いや、俺達の方も判断が遅かった。お前が謝る事じゃない」

相澤の言葉に苦笑したAはクラスメイトや他の知り合いには何と説明するのかと問う。

すると、事実を知るヒーロー科の二組の生徒達には事情を説明し終えているそうだ。

「これからは珍しい、個性が二つの人間として生きていくわけだが……家族や昔からの知り合い以外で無個性であると知っている者はいるか？」

そう聞かれたAは一人の人物を思い出し、苦虫を噛み潰したような顔をした。
急にどうした？……と、二人は首を傾げている。

『一人います。轟君の父親であるエンデヴァーさん…です』

なんでまた彼なのかと聞かれた彼女が視線を逸らし答えたのは、なんとも短いものだった。

『……若気の至りというやつです』
「「は？」」

それ以上は何も言わなかったAに、オールマイトはある事を思い出して相澤から資料を借りる。

「確か……」
『「？」』

それはAをスカウト指名してきた事務所の名が記された紙。
その一つを彼女に見せながら指し示すと……Aは驚愕し固まる。

(な、何故に…！？)

その事務所とは！？