【僕のヒーローアカデミア】転生・・また転生（女主）～３～ (ページ6)

今日:18 hit、昨日:3 hit、合計:96,756 hit

１０３話ページ6

表彰式も無事に終わり、生徒達は着替えて教室へと向かっていた。
Aはリカバリーガールと共に校内の保健室へと移動し眠っている。

『…………ﾋﾟｰｺｰ………ｵｽｷﾞｰ…』
「……変わった寝言だね」

そう言ったのはオールマイトだ。
三位のメダルを渡しに来たのだが、彼女は幸せそうに熟睡中である。

仕方ないので枕の横に置き、マッスルフォームから本来の姿へと変わっていく。
近くの椅子に腰掛けた彼が思い出すのはAの戦いだ。

(無個性とは思えない程の身体能力に【念】と【錬金術】……これ迄の常識を覆すこれらを……メディアに晒すのは危険かもしれんな)

Aは無個性でもヒーローになれると証明したいと話している。

だが、世間では無個性でも【ヒーローになれる】事よりも……無個性でも【力(個性)は手に入れられる】という事実を重点に置くだろう。

聞く限りAの修業は過酷であり、錬金術に至っては他の者が習得するのは不可能だと本人が断言している。

(理由を聞いても答えてはくれなかったが……どちらも危険な力に変わりはない)

世の無個性である人々に希望を与えるだろうが、長年かけても習得できなければ絶望を与えるだけ…

奇跡的に習得したとしても……危険な技故に知識もなしに力を扱えば、被害が出ないわけがない。
Aだから今の所は問題がないのだ。

(緑谷少女には悪いが、無個性である事を公にしないように努めてもらおう)

今さら遅いかもしれないが……と付け加えたオールマイトはAの頭を一度撫でる。

出久から聞いた話では、幼少の頃より友人と遊ぶ事よりも己を鍛える為に修業をしていたそうだ。

夜な夜な家を抜け出しては近所の山に行っていた事も……本人は隠し通せているつもりのようだが、出久にはバレている。

「……すまない。緑谷少女」

自身も元無個性だからか……本当は彼女のしてきた努力を隠すような真似はしたくないようだ。

それから、三時間後に出久がAの荷物を手に保健室へとやって来た。
帰りはどうするのかと思われたが、オールマイトが送ってくれるそうだと…リカバリーガールが教えてくれる。

「ついでにアンタも一緒に送るそうだよ」
「え！？ぼ、僕も！？」

出久の喜びの声に全く起きなかったAは目を覚まし、リカバリーガールを驚かせる。

『あれ……出久？』
「なんであれだけ揺さぶっても起きなかったのに弟の声には反応するかね！？」
『愛ですかね』ﾌｯ