【僕のヒーローアカデミア】転生・・また転生（女主）～３～ (ページ48)

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１４５話ページ48

試験は終わり、各々が先生からの評価を聞いて解散となる。
だが、Aと椎名はまだ演習場所にいる。

切り株を椅子にして椎名が見ているのは、Aとエンデヴァーの手合わせだ。

「まだまだぁ！上げろ！」
『了解！』

攻撃を加える度にオーラの量を少しずつ上げていっている様子。
上がる度にエンデヴァーが問題ないか判断しており、強度が増して痛み等を感じればそれを伝えていく。

肉体を強化したりと様々な個性を持つ者達がいるが、彼を基本に調節していけば多少はマシになる……後は本人が意識して経験を積んでいく事で解決出来るのだ。

(…って、二人は言ってたけど……本当に夜まで続ける気なのかな？)

椎名が不安げに眺める二人の闘い。
何故、試験後にこのような事をしているかというと……一時間前に遡る。

Aが立ちはだかる壁に負けまいと『なんの！ネバーギブアップ！！』と叫んだ後、エンデヴァーは彼女の頭を鷲掴みにしこう言った。

゛そうか。ならば……さっさと始めるぞ。その為に時間を作ってあるのだからな゛

彼は午後からの仕事は部下に任せてあるので、残り時間はAの相手をすると伝えた。
それを聞いた彼女は呆けていたが、多忙である彼がわざわざ時間を作り、相手をしてくれると知り胸の内がホワホワする感覚に陥る。

゛べ、別に嬉しくなんてありませんからね！゛

ツンデレキャラのド定番台詞を放ちながら、エンデヴァーを指差す彼女の頬は緩みかけていた。

時は戻り、椎名は用事があるので二人に挨拶をして帰宅。
残った二人の手合わせは閉校時間まで続いた。

疲れを見せながら駅前まで送ってもらった制服姿のA。
車を降りて礼を伝える彼女にエンデヴァーは一枚の紙切れを手渡し、いつもの仏頂面で言う。

「時間があれば相手してやる。前日までに連絡を入れるが……間違っても遅刻はするな」
『！』

まさかの言葉、Aが返事を返す前に車を動かし去っていくエンデヴァー。
その車を再び呆けて見送る彼女は……これまた再びホワホワとした感覚に陥る。

(なんか……嬉しい。お互い第一印象が悪い筈なのに……ここ迄してもらえるなんて思わなかったです)

まるで師弟関係みたいだ……と、思った直後に大きく首を振り否定しだす。

(いやいや！ライバル！同じ打倒オールマイトを目指すライバル……のはず………うん。その為には彼に勝てるようにならなければ！)

意気込みながらエンデヴァーのアドレス登録を終えるのだった。