【僕のヒーローアカデミア】転生・・また転生（女主）～３～ (ページ44)

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１４１話ページ44

攻防戦が始まり、残り時間は10分をきっていた。
念による攻撃もエンデヴァーは躱し、受け流しては彼女を焦らせる。

時には不格好ながらもフェイントを混ぜ込んできたAに、エンデヴァーは睨んだまま攻防を続けながら口を開く。

「少しは考えるようになったか。だが、子供騙しもいいところ……目線でどこを狙うか丸わかりだ！馬鹿者！！」
『っ゛！！……ぁ…が…！』

鳩尾近くにエンデヴァーの拳が入れられ、Aは数メートル先まで殴り飛ばされた。
咳き込みながら立ち上がろうとしている彼女から、己の拳に視線を向けたエンデヴァーは小さく舌打ちを零す。

(当たる瞬間に纏うオーラを減らしおって……馬鹿者が！)

エンデヴァーは試験前に相澤からAの情報を耳にしている。
一つめは【対人戦において、攻防共にオーラを縮小する傾向にある】というもの。

入学初日で目にしている相澤やオールマイトによると、生身の人間が受けたら即死レベルであるが……脳無や敵と戦う時は半分あるかないかだと言う。

゛それでも威力は凄まじいのですが……初日に見たアレとはかけ離れていました。今まで相手がいなかった為に、どの程度の力で人体に被害がでるか分からないのでしょう゛

゛【殺してしまうかもしれない】【必要以上に傷つけてしまうかもしれない】……相手があの脳無であっても、それらが邪魔をして苦戦していました゛

長年かけて鍛えてきた力は本人が予想していた以上に強大なものへとなっていた。

迫る拳も防御を固め過ぎると相手に多大なる反動がいってしまい、ダメージは威力が強いだけ増す。

「敵相手に情けなど不要！！己の身くらい守れずしてどうする！自業自得で出来た怪我を言い訳に、守るべき者を守れなかったと言うつもりか！！」
『っ…！』

返す言葉がない。
Aは悔しげに顔を歪ませ、拳を力強く握る。
だが、時間は止まってはくれない。

意を決して彼女は【錬】で増幅したオーラを右拳に集めて、走りながら叫ぶ。

『ルイ！！今です！！』

今までとは違う威圧感に、エンデヴァーは椎名を警戒するも迫る拳から目を離すわけにはいかない。

やけになったか？……そう思った瞬間に、Aは彼の数歩前で拳を振り下ろす。

「っ！！」

その凄まじさから地面は抉れ、衝撃波は巨体であるエンデヴァーを後方へと追いやった。
しかし、彼は後ずさりながらも冷静だ。

彼の視線は木々の間から飛び出した椎名へと向けられている。

(迷いが顔に出ているな……)