【僕のヒーローアカデミア】転生・・また転生（女主）～３～ (ページ39)

今日:23 hit、昨日:3 hit、合計:96,761 hit

１３６話ページ39

心ちゃんが話を聞いてくれた事やアドバイスをもらえたからか、私の中のモヤは薄れていた。
まあ、いきなり大事な局面でいつもと違う判断を下せるかと言えばＮＯだ。

だからこそ、普段の生活から変えていく。
頼る事も慣れてしまえば……と、思っていたのが二時間程前。
昼食後に授業を受けながら考えるのは……

(頼るって……何を？)

具体的に困っている事があるとすれば、この悩みだ。
考えれば考える程に分からなくなり、頭はショート寸前。

午後の授業が終わった直後に私は教室を走り去った。
皆が驚き、ルイや麗日さん達が私を呼んでいたが止まる余裕がない。

猛スピードでやって来たのは普通科のクラス。
勢い良く扉を開けて泣き付いた相手は心ちゃんだ。
まさかの事に全員が驚愕している。

『心ちゃん助けて下さい！考えても何一つとして頼みごとが見つからないんですよ！！』
「はあ！？おま…まさか昼からそんな事ばかり考えてたのか！？」

呆れながら心ちゃんは私を押し離そうと手に力を込めていく。
涙ながらに私は何度も頷いた。

『だって出久の喜ぶ顔が見たくて！あの子の笑顔はそれはもう可愛いんですよぉ！！』
「趣旨が変わってるぞ！！」

この時の心ちゃんは(余計な事を言うじゃなかった……)と心の中で後悔していたそうだ。
皆からの視線が集まる中、彼は盛大なため息を吐きながら私の頭にチョップを振り落とす。

私が痛みに頭を抑える事で開放された心ちゃんは帰り支度を始めながら言う。

「今すぐになんて欲を出すから駄目なんだ。その時が来るまで待て」
『その時って……いつですか？』

焦る私に心ちゃんは勢い良くドアを指差しながらはっきりと言った。

「少なくとも今ではないのは確かだ！分かったらすぐに教室に戻れ。ハウス！」
『なっ！？私は犬じゃありませんよ！』
「……悪ぃ。時々、お前が犬に見えるからつい……」

彼によると出久の話をする時、嬉しそうに瞳を輝かせる私の背後にブンブンと左右に振る犬の尻尾が見えたりする事があるそうだ。

落ち着いた私は謝罪と礼を言ってから教室を去った。
その直後に心ちゃんがクラスメイト達から質問攻めにあったとは知らずに…

Ａ組に続く廊下を進んでいると前から機嫌の悪そうなかっちゃんが歩いてくる。
私に気づいた彼は立ち止まり、鋭い目つきを向けてきた。
雰囲気からしても普段とは違い、これは明らかな敵意であり……かなり機嫌が悪いようだ。

だからといって私は怯まずに彼の言葉を待つ。