【僕のヒーローアカデミア】転生・・また転生（女主）～３～ (ページ35)

今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:96,741 hit

１３２話ページ35

始まってすぐに画面上に現れたのはAだった。
【念】も使用しての脚力で建物の上を跳んでいく姿はまるで……多くの人が知る有名な忍者漫画の忍のようだ。

遅れて常闇がダークシャドウを使い己を運び、蛙吹は手足の吸盤や舌を使い進む。
椎名は両腰に備え付けた筒から二本の紐を伸ばし建物の一部に取り付けて体を引っ張っている。

※進撃の●人で使用されている装置で移動しているような感じです。

ゴチャゴチャとした街の上を涼しい顔で跳んでいくAを皆が無個性だなんて信じられないと口を揃える。

芦戸は両手を上下に振りながら口を開く。

「すっご！スピード落ちるどころか速くなってんじゃん！カッコイイ！」

「ほえー……こういうの見るとさ、やっぱ緑谷姉って凄いんだなって思わね？普段はアレだけどさ」

上鳴が誰となく聞くと爆豪を除く皆が頷いた。
そして、麗日は先程の出久や爆豪の動きと違う所を見つける。

「デクくんは身体全体を使ってピョンピョン跳んでいくけど……Aちゃんは基本脚だけなんだね」

「うん。姉さんが言うには、その方が視界もズレずに周りを見渡せるから何かあれば気づきやすくて、対処もしやすいんだって」

その説明に麗日達は上鳴と同じく「ほえー…」と声を漏らすが、出久の「小さい頃から人様の家の上を走ってたから慣れてるしね」という情報で場の空気は変わる。

尾白は苦笑しながらモニターに顔を向き直り言う。

「……よく怒られなかったね」
「え？何度も怒鳴られてたけど……暫くすると誰からも何も言われなくなって……」
((怒鳴られてもやめなかったのか……！！))

皆が彼女らしいと思い、同時にご近所の方々に同情したのだった。

それから一分と経たずにAはゴールし、満面の笑顔でカメラに向かって親指を立てる。

『出久！お姉ちゃん一位になりましたよ！』

「ははは……」

小さく苦笑いしている出久に透明人間である女子、【葉隠透】が彼の肩にポンッと手を置き明るく声をかける。

「お姉ちゃん、キミの事が本当に大好きなんだね！あの子の弟好き好きオーラを一切隠さないところ、私好きだよ！」
「え…っと……あ、ありがとう？」
「緑谷くん、うまく笑えていないぞ」

飯田の指摘に出久は何度目か分からない苦笑いをして返す。
そして、ビリである峰田の悲痛な叫びが響き渡る。

「分かってたけどよぉ！分かってたけどさあ！！………うわあぁああ！！」

泣き叫ぶ峰田に再びドンマイコールが起きたのだった。