【僕のヒーローアカデミア】転生・・また転生（女主）～３～ (ページ29)

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１２６話ページ29

「たとえ相手がヒーロー殺しであろうとも、これは立派な規則違反だワン」

「指示を受けていた彼女を除く君たち三名、及びプロヒーロー【エンデヴァー】【マニュアル】【グラントリノ】……この六名には厳正な処分が下されなければならない」

「待って下さいよ」

納得がいかないと轟はその時の状況を話し、徐々に声を荒げる。
それを慌てて止めようとする友人二人とは違い、大人組やAは静かに立っていた。

「規則守って見殺しにするべきだったって！？結果オーライであれば規則などウヤムヤで良いと？」

「人をっ……救けるのがヒーローの仕事だろ！」

最後の言葉は体育祭前の轟ならば、ここまで必死になって口にする事はなかったかもしれない。
そう思いAは内心、嬉しかったりするが空気を読み表には出さずにいた。

そして、次に署長からでた台詞により轟を更に苛つかせる。

「だから……君は【卵】だ。まったく……良い教育をしているワンね。雄英も…エンデヴァーも」
「この犬……！」
「やめたまえ！もっともな話だ！！」

一歩前に出た轟を止めたのは飯田とグラントリノだ。
話は最後まで聞けと言われた後に再び署長が鼻を擦りながら口を開く。

「以上が警察としての意見。……で、処分云々はあくまで【公表すればの話】だワン」
「「！？」」
(なるほど……なぜ署長自らやって来たのかと思ったら……)

納得したAは人知れずに小さく笑みを浮かべ話に耳を傾けた。

公表すれば処罰は免れず、公表しなければヒーロー殺しの火傷からエンデヴァーを功労者として擁立できる。

目撃者も少なく違反した事はこの場で握り潰せるそうだ。

「だが、君たちの英断と功績も誰にも知られることはない」

署長は親指を立てながら、どちらが良いか三人に選択をさせる。

「前途ある若者の【偉大なる過ち】にケチをつけさせたくないんだワン！！」

その隣ではマニュアルが、監督不行届で自分達は責任を取らなければと涙ながらに言う。
飯田は頭を下げ謝り、マニュアルはチョップ一発と注意だけで終わらせてくれた。

そして、出久達も頭を下げ公表しないことを選ぶ。

「「よろしく…お願いします」」

彼らの後には署長も頭を深く下げ感謝の意を伝える。

「大人のズルで君達が受けていたであろう称賛の声はなくなってしまうが……」

「せめて、共に平和を守る人間として……ありがとう！」

心からの感謝の言葉は皆に心の温もりを与え、悪くなっていた場の空気を変えていく。