【僕のヒーローアカデミア】転生・・また転生（女主）～３～ (ページ27)

今日:21 hit、昨日:3 hit、合計:96,759 hit

１２４話ページ27

゛ま、待てA！やめろ！！゛

゛Aダメだ！！やめてくれ！！゛

゛待って！！姉さん！！゛

当時の友人と出久の言葉が重なる。
精神的にも追い詰められていた当時のAは、友人二人を逃がしながら壁で自身と敵を囲み対峙していた。

応援が来るまでの時間稼ぎ……しかし、彼女は生き残る自信などなく死ぬ事も頭においている。

その事を後に友人から叱られ、涙しながら後悔する事となった。

゛殺気などそう容易く放てるものではない。ハァ……お前…ただの子供ではないな。明らかにこちら(敵)側の人間ではないか゛

今迄にも遠回しに言われることはあったが、ドストレートに……しかも、殺人者に言われたのだから気にはする様子。

(前世では裏の世界に足を踏み入れていましたからね。そりゃあもう、モザイクがかかるようなモノを見たり触ったり………血生臭い日々でしたねぇ)

それでも笑って前に進めたのは大切な友人達がいたからだと、彼女は改めて思い笑みを浮かべる。

そして、ステインの気迫と強い意思、殺意は当時の感覚を思い出させた。
平和な生活を送るなかで忘れていた戦場の……強者との対峙。

A・ブライアントが得た経験は実戦を重ねるごとに表立って現れるようになった。
それは生き抜く上で大いに役立つと同時に、要らぬ面倒事を招く事にもなりかねない。

思い浮かべるのは雄英で出会った若きヒーローの卵達と出久に爆豪の姿だ。

(彼らと一緒では……嫌でも目立ちそうですね。いや、別に私は敵側に見えるだけで何か悪さをするつもりはないないんですけどね！？)

上半身を起き上がらせ顔を横に振り、頬を思いっきり叩いたAは顔を引きつらせたままだ。

『誤解はされそうなので気をつけないと…』

彼女が避けたい誤解は二つ。
過去に犯罪又は犯罪まがいの事をしていたのではないか。
実は敵側の人間、或いは関わりがあるのではないか。

これらは緑谷Aとしてなら否定出来る事だ。
だが、あのステインが僅かな間に敵側の人間だと断言したのだから……彼女の事を良く知る人間以外には誤解を生む可能性はある。

『…………さて、反省会は終わり。寝ますかね』

そう呟いて彼女は眠りにつく。
明日は出久達の見舞いだけで良いと言われているので、休日のようなものだ。

おやすみ３秒で眠りについた直後にAの携帯が光る。

ディスプレイに映しだされたのは飯田からのメッセージだった。

゛無視してすまなかった。おやすみ゛