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171話 ページ23

骨が…肉が…血が…肉体のあらゆる所が焼け朽ちてゆく。
激痛に堪えながら鏡斎の畏れに必死に抗うも…Aの肉体は焼け、異臭を発している。

『ぁ…がぁ……あぁあ゛!!』
「A!!」

この時に氷麗は何故、Aが皆から離れたのか理解した。
リクオやイタクならまだしも、巻や鳥居達には決して見せられない…聞かせるわけにはいかない。

(こんなの…っなんて事を…!)
『づ…つら…ら…』
「!」

友の悲痛の叫びと危機に涙を浮かべる氷麗にAはある場所を指し示す。
氷麗は指し示された先の気配を探ると鏡斎の畏れを感知。
すぐにビルとビルの間に氷の橋を作り、2つ先の建物へと向かう彼女はAに待つように伝えた。

「必ず奴を倒すから!もう少し堪えて…約束よ!」
『〜〜っ!』

激痛が走ろうとも氷麗の遠ざかる背中を見つめるA。
次に彼女を襲ったのは肉が膿み裂ける痛みだった。
焼かれた後に、全身の内側から膿み裂けていく…その激痛は想像を絶する。
氷麗が居ない一人の彼女は叫ぶように悲鳴を上げた。

『ぅああ゛あ゛あ゛あ゛!!!』

悶え苦しみながらも意識を手放さない。
何度も何度も心の中で『堪えろ!』と叫んでいたが、そんな彼女の脳裏に一瞬浮かんだのは二人の少女の涙。

゛゛死なないで…゛゛

『ゼェゼェ……はは…っ……ぅあ!』

うつ伏せになり苦しみながらも小さく笑った彼女が次に頭に浮かんだのは家族の言葉と約束だ。

゛お前まで…居なくならないでおくれ…゛

゛今よりも妖怪の世界に足を踏み入れる気なら…これだけは約束しろ。今後どのような状況でも てめぇの命は必ず守り通せ。ワシや小夜さんより先に死ぬ事は許さねぇ…いいな?゛

その後も思い出すのは大切な人達との約束や言葉だった。
そして、最後に頭に響いた言葉は前世で亡くなる直前のもの…二度と会うことのできない親友の顔だ。

゛お願いだから……死なないで…A゛

『〜〜〜っ!!』ギリッ

思い出すと同時に彼女の目は見開き、拳をコンクリートの床に叩きつけて無理やりに立ち上がろうとする。
血が溢れようと…激痛を感じようとも関係なしに彼女は立ち上がり前を向く。

その先には、憎き敵とこの世界での大切な友人がいる。
そう、前世での親友【ウィンリィ】と同じく…大切な友人が一人で戦っているのだ。

『…をだす…な……ゆる…さ…ない……!!』

彼女は何を許さないというのか…
精神が極限状態にあるAは何を考えているのだろう。




続く

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堕天使魔夜降臨(プロフ) - SORAさん» 犬神のツッコミは聞く事だけだったとかw……((苦笑) (2017年4月9日 11時) (レス) id: d184e113ad (このIDを非表示/違反報告)
SORA(プロフ) - 訂正します。【犬神さん】も生きてます(;・∀・) (2017年4月8日 22時) (レス) id: 67b18231a4 (このIDを非表示/違反報告)
SORA(プロフ) - 堕天使魔夜降臨さん» 狒々様も亡くなっております。百物語組編まで進んでいますが…亡くなる筈の方で生きているのは【針女さん】だけですね(゚▽゚) (2017年3月28日 21時) (レス) id: 67b18231a4 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使魔夜降臨(プロフ) - SORAさん» 鯉伴様はもうこの世に居なくなり狒々様はどうなったのじゃ? (2017年3月28日 8時) (レス) id: d184e113ad (このIDを非表示/違反報告)
堕天使魔夜降臨(プロフ) - SORAさん» おい!コラwwクロの技をポケモンの技にする?! (2017年3月28日 8時) (レス) id: d184e113ad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SORA | 作成日時:2016年12月25日 21時

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