第39話 ページ44
『「…………」』
重たい空気の中、私と綱吉は物音立てずに立ち尽くすしかない。
私達が生き残るには…彼が起きるまで沈黙を貫くしかないのだ。
しかし、こんな時に限って来客があったりする。
部屋のドアを遠慮がちに開けたのは、イーピンちゃんとランボ君…満面の笑顔の二人と遊びたいが今はそれどころではない。
「ガハ…ンムム」
大声を出そうとしたランボ君を綱吉が止めたが…ランボ君は懐からある物を取り出し私達の心臓は大きく跳ね上がった。
(手榴弾〜!!)
「〜〜〜っ!!」
慌てた綱吉が外へ投げ捨てた。
だが、爆発音に振動があっても委員長は起きていないからビックリだ。
(部屋の外だからでしょうか?……ん?)
熱い視線を感じ振り返るとイーピンちゃんが頬を染めて立っていた。
彼女のおでこには…
(筒子時限超爆〜!?)
緊急事態の為、通路まで出てイーピンちゃんを外に向かって投げ飛ばす。
外だから大丈夫だと思っていたのだが、病室からは綱吉の悲鳴があがった。
「ギャアァァ!!」
『まさか!』
急いで戻ると病室では綱吉が噛み殺されていた。
私はトンファーを降り下ろそうとした委員長の右手首を掴み、そのまま体勢を低くしながら足をはらう。
もちろん相手は病人なのでベッドに倒れるようにしている。
「っ!」
(委員長が起き上がる前に…逃げます!!)
皆さんご存知の【逃げのA】……逃走を恥だとは思わぬ!
その後は治療をしてもらってから別の部屋へと移動している。
私達は精神的な疲れからため息を吐き、綱吉は苦笑交じりに先程の礼を言ってくれた。
「さっきは助かったよ。ありがとうA」
『いえいえ…怪我が増えてしまいましたね』
「これぐらいですんで良かったよ。…今度は普通の人とがいいなぁ」
綱吉の願いが通じたのか普通の部屋に移動となり、私達はようやく落ち着くことができた。
『「疲れたぁ〜」』
【その頃の雲雀】
「赤ん坊といい彼女といい…クスッ…暫くは楽しめそうだね」
『!?』ゾクッ
「どうしたの?」
何やら不吉な予感がしてならない。
これ以上は勘弁してほしいのだが……嫌な汗が流れるので気持ち悪い。
『…綱吉……獄寺君がここで入院してるそうですよ。相部屋にしてもらえるよう頼んできましょうか?』
「んなっ!?なんでそうなるんだよ!!なんの嫌がらせ!?……A、時々俺にそういうことを言うのやめてよ」
『親友である綱吉だから言えるんですよ』
「……それは喜ぶべきなの?」
続く。
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作者名:SORA | 作成日時:2015年3月3日 22時