FRIEND／再び出逢う ページ7
「はい皆揃ってる？揃ってるね。
…じゃあ、キリア。自己紹介を。」
「ぅ、…」
マスターさんが、優しくボクに言う。
言わなきゃ。言わないとって、わかってる。分かってる、けど…
どうしよう、すごく─こわい。
知らない人たち。知らない所。
ボクが好きな物なんて、何もないところ。
でも、言わなくちゃ。じゃないと、ボクはここでまた、ひとりになっちゃう。
「、ぁ」
でも、でも。
家に来た時、初めて目が合った時のマスターさんの目が、何度も何度も頭の中をぐるぐると巡る。
ほんの一瞬でその目は居なくなってしまったけれど。でも、あの目は─ひどく冷たくて、まるで…ボクを、何かモノみたいに見るようだった。
お父さんが言っていた言葉を、今になって思い出す。
─『私達は、普通とは違うんだよ』
─『普通のヒトが持つべきでない力を持っている。それは決して私達が願った力ではない…でも─いいかい、キリア。』
─『…その力を、危険だと考えるヒトが居る。そしてそういう輩は、私達を常に��監視��している。』
─『だから…私に何かあった時にお前の前に現れるのは、きっと─』
あの時は分からなかったけど。でも、今ならわかる。…これも、��普通とは違う��からなのかな。だって、たった数年で分からなかったことが分かってしまうなんて、きっとおかしいんだ。
何かを言いかけて開いた口を、また噤む。
─ボクは、どうしたいんだろう。
また、ひとりになる？(寂しい)
まだ、空っぽのボクのまま？(怖い)
それは、嫌だ。…嫌だ、けど。でも─
「─ね、ねえ！」
「…ぇ、？」
白い床を映していた視界に、鮮やかな色が舞い込んだ。
桃色。赤と同じ、だけどもっと柔らかで、優しい─いのちの、色。
「キミ、キリアっていうの？」
「う、うん…」
「そっか！ボクはカービィっていうの。ねえ、キリア─ボクと友達になろうよ！」
「─！」
─その時。確かに、ボクはボクの世界が色付いたのを感じた。
寒くて、凍えそうだった冷たい灰色の世界が消えて─一瞬にして、世界は鮮やかにその色を変えたのだ。
「─っうん…！あのっ、ボクはキリアって、いいます…！ご迷惑かけると思いますが、その、よろしくお願いします…っ！」
「うん、よろしくねキリア！」
「…ああ、よろしく！」
「何だ、笑ってた方が可愛いぞ。宜しくな、キリア！」
ボクの辿々しい挨拶に、明るい笑顔が返ってくる。
─密かに運命が変わったことを、ボクは知る由もない。
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チイチ(プロフ) - Mirai atさん» コメント有難うございます(^^) 展開は幾つか考えた中から選んだ物なので、意外に思って頂けたなら幸いです！それが狙いでもありましたので…(笑) これからも頑張らせて頂きますね！ (2019年11月11日 2時) (
レス) id: a34c130848 (このIDを非表示/違反報告)
suwaro - チイチさん» 返信くれた！？めっちゃ私も嬉しい！ありがとうございます！ (2019年11月10日 20時) (レス) id: 1a4b63d778 (このIDを非表示/違反報告)
Mirai at(プロフ) - 意外な展開ですねー。頑張ってください! (2019年11月10日 9時) (レス) id: 86ab96dee6 (このIDを非表示/違反報告)
チイチ(プロフ) - suwaroさん» ！！！まさかコメントを頂けるとは…有難うございます…！嬉し過ぎます…！これからも頑張らせて頂きますので、どうぞ宜しくお願いします〜！ (2019年11月8日 21時) (レス) id: a34c130848 (このIDを非表示/違反報告)
suwaro - 続きが楽しみです! 頑張ってください! (2019年11月8日 21時) (レス) id: 1a4b63d778 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チイチ | 作成日時：2019年6月18日 23時
