OVERHEAR／だめだめ、ぜったい！ ページ14
─キリア、おめでとう。
朝からサムスとフォックスに試合に連れ出されて、既にクタクタの身体で自分の部屋へ帰る途中。
マスターの部屋の前を通りかかった時に聞こえたその声に、ボクは思わず足を止めた。
キリィが居ることにもびっくりしたし、それに…「おめでとう」？何かあったのかな。
─…えっ、と…その、何がですか？
─おや、覚えていないのかい。今日は、君の誕生日じゃないか。
─…あ、そう、ですね。はい、そうでした。
たんじょうび。…誕生日？誰の？─キリィの。
─ここで叫ばなかったボクは、本当に偉いと思う。
キリィの、誕生日。今のボクにとって、気にした事が無かったと言えば嘘になる、とっても大事な日。
前に聞いた時、何だか曖昧にされちゃったけど。でも、あれは彼が覚えていなかったからなんだ。…どうして覚えてないのかなんて、きっと聞かない方がいい。
でも、そっかあ。キリィの誕生日なら、プレゼントを用意して、リンクにでも頼んでケーキを作って、いっぱいお祝いしなきゃ。
─そこでだ。君の誕生日のお祝いをしようと思うのだけど…
─い、いえ！大丈夫です。わざわざボクの為になんて、そんな…
…お祝いの計画をあれこれと並べていたボクは、そう聞こえた瞬間に、ドアを飛ばす勢いで部屋に転がり込んで、叫んでいた。
「だめ！絶対、やらなきゃだめ！」
「カ、カービィ！？いつから…」
「ねえなんで？何でやらないなんて言うの？だめだよ、だめったらだめ！」
「ああもう分かった、分かったから…！」
─こうしてボクは見事、キリィの誕生日パーティを勝ち取った。
＊
「お。キリア、カービィから聞いたよ、おめでとう！」
「えっあの、その…ありがとう、ございます！」
「何だ、誕生日が今日ならそうと言え。危うく祝いそびれるところだったぞ？」
「あっえっと…その、自分でも覚えてなくて…」
「自分の誕生日を覚えてないって、そりゃ何だ？まあいい、今日はお前が主役だ、キリア！」
「わ、は、はい…」
楽しむんだぞ、と笑いながらキリィの頭にぽんと手を乗せてフォックスが通り過ぎる。
食堂へ入った途端、口々にお祝いの言葉を貰った彼は、照れながらもとても嬉しそうだ。ほら、やっぱり。やらなくていいなんて、そんな訳ないんだ。
─ふと、彼がボクを見下ろす。いつもより輝きを増すその目を見ながら、ボクはにっこりと笑った。
─ね？やらないなんて、勿体ない！
(とくべつな日の、はじまり。)
BIRTHDAY／キミが、だいすき。→←DIARY／とくべつな日。
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チイチ(プロフ) - Mirai atさん» コメント有難うございます(^^) 展開は幾つか考えた中から選んだ物なので、意外に思って頂けたなら幸いです！それが狙いでもありましたので…(笑) これからも頑張らせて頂きますね！ (2019年11月11日 2時) (
レス) id: a34c130848 (このIDを非表示/違反報告)
suwaro - チイチさん» 返信くれた！？めっちゃ私も嬉しい！ありがとうございます！ (2019年11月10日 20時) (レス) id: 1a4b63d778 (このIDを非表示/違反報告)
Mirai at(プロフ) - 意外な展開ですねー。頑張ってください! (2019年11月10日 9時) (レス) id: 86ab96dee6 (このIDを非表示/違反報告)
チイチ(プロフ) - suwaroさん» ！！！まさかコメントを頂けるとは…有難うございます…！嬉し過ぎます…！これからも頑張らせて頂きますので、どうぞ宜しくお願いします〜！ (2019年11月8日 21時) (レス) id: a34c130848 (このIDを非表示/違反報告)
suwaro - 続きが楽しみです! 頑張ってください! (2019年11月8日 21時) (レス) id: 1a4b63d778 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チイチ | 作成日時：2019年6月18日 23時
