�� ページ34
『─Aサン。ソレハ…？』
言いながら、通りがかったロボットは、たった今買い物から帰って来た彼女の手の中の小瓶─正しくは、そこに詰まった色とりどりの透き通った小石のような物をアームで指した。
Aは「よくぞ聞いてくれました」と言わんばかりのきらきらした笑顔で、その小瓶を少しだけ上に掲げた。お陰で、少し離れていたボクにもその全容が明らかになる。
─それは、窓から射し込む陽射しを受けて、さらに鮮やかに色彩を放っていた。彼女がその手の中で少し瓶を揺らす度、中の欠片達はころころと混ざり合う。
「ふふ、これはですね…なんと！こう見えてもお砂糖なのです！」
『砂糖ト言イマスト…調味料ノ1種デシタカ？』
「そう、それですそれ。…でも、なんとなんと！このお砂糖は、このまま食べるお菓子なのです！」
『ナント』
それは驚き─と片言で発するロボットの顔に、表情なんてものは勿論無い。けれど彼女には何か感じる所があるのか、くすくすと嬉しそうに笑うのだ。
─ふありと甘い香りが、ボクの元に届いた気がした。
「良ければロボットさんもお1つ…って、あれ。ロボットさんは甘いもの摂取したらまずいです？」
『イエ、甘味ハエネルギートナリマスカラ。…頂イテモ？』
「そういうことなら！どうぞどうぞ。」
かぱりと軽い音を立てて、銅色の蓋が外される。同時に、微かに香る程度だった甘い香りが、質量を持って押し寄せたのかと思う程の、絡みつくような甘い匂い。
それは決して、ボクが嫌いな匂いという訳じゃなくて─寧ろ好きな筈だ─だけれど、今のボクにとってこれ以上の甘さは…何故か警告の様な気がしたから。
─ボクはそうっと、その場を抜け出した。幸運なことに、デデデに試合をしないかって誘われてたし。
＊
「─あれ？」
「ドウカシマシタカ、Aサン。」
「いや、さっきまでカービィがそこに居たんですけど…」
「彼ハ、甘イ物モ好ンデイタ筈デハ…？」
そうだと思うんですけど、と腑に落ちない顔で零したAは、手元で蓋を閉め直した瓶を転がす。
…と、甘い匂いを嗅ぎつけたのかは定かではないが─ドタドタと近づく足音に、2人は顔をそちらへ向けた。
「─お菓子の匂いがしました〜！」
「ぴっちゅ！」
「ぷりりぃ！」
「あれ、ヨッシーさんにピチューとプリンちゃん！」
甘い物の気配を察知してやって来たらしい3人を、Aは顔を綻ばせて歓迎したのだった。
(甘い、あまい。)
(─それは、��何��が？)
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チイチ(プロフ) - 降魔さん» 降魔さん、こんにちは(^^)コメント有難うございます！悲鳴が出るほど喜んで頂けたのなら、書き手としてもこれ以上ないくらい嬉しいです…！前にブラックピットを楽しみにしているというコメントを頂いてから、私自身書くのが楽しみでした！これからも頑張ります…！ (2019年12月17日 1時) (
レス) id: cd3ca817f7 (このIDを非表示/違反報告)
降魔(プロフ) - ひぎゃあぁぁぁぁぁぁ!!!! ブラックピットやぁぁぁぁぁぁぁ!!!! チイチさんて天才っスよね……!!! これからも頑張ってください！ (2019年12月16日 18時) (レス) id: 6d6843d9f1 (このIDを非表示/違反報告)
チイチ(プロフ) - 水城さん» こんにちは！コメント有難うございます…！コメントの全てが私には余りにも勿体ないものばかりで恐縮です…！ちょっと嬉し過ぎて文脈がおかしいかもしれないですすみません…！これからも意欲の続く限り執筆していきます…！本当に有難うございます！ (2019年12月15日 15時) (レス) id: cd3ca817f7 (このIDを非表示/違反報告)
水城(プロフ) - いつもチイチ様の作品を拝見して、文章の構成や内容の素晴らしさなどに圧倒されている者です。チイチ様の描く人物たちが本当に好きで、この度マルス様の話が追加され耐えきれずコメントしてしまいました……これからもお身体を大切に、作品をつくって下さると嬉しいです (2019年12月15日 8時) (レス) id: 29a05cdac9 (このIDを非表示/違反報告)
チイチ(プロフ) - あるふぁさん» こんにちは！コメント有難うございます(^^) 楽しみと言って頂けて本当にとてもとても嬉しいです…！それだけに長らくの間更新停滞してしまった事が申し訳なく…年末にかけてどんどん更新していくので、宜しければこれからも見てやってください…！ (2019年12月11日 0時) (レス) id: cd3ca817f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チイチ | 作成日時：2019年8月14日 2時
