検索窓
今日:6 hit、昨日:1 hit、合計:255,543 hit

7 ページ8

「せんせ、ここ分かんない」




「これはこの公式を使うって言っただろ?」




「なんでこの公式なの?」




「あぁ、それは……」




先生に勉強を教えて貰っていると、小さく扉を叩く音が聞こえた。扉の前に立っていたのは知らない男子生徒。




「どうかした?」




「あ、えっと……小鳥遊さんに、用があって」




「私?」




ちらちらとこちらを見る男子生徒。……というか、何でここに居るって分かったんだろう。




「小鳥遊さん、少し、良いかな」




「別に良いけど……せんせ、少し行ってくるね」




「荷物は?」




「また取りに戻ってくる。さっきのとこまだ分かんないから」




「分かった」




誰かが居る時はあくまでも普通の教師と生徒を演じる。必要以上の接触はなし。……もう少し先生と一緒に居たかったのに。名前も知らない男子生徒に着いていく。連れてこられたのは、あまり人が出入りしない資料室だった。ここ、暗いから苦手なんだよなぁ。




「ごめんね、急に……」




「それは別に構わないけど……。用事ってなに?」




こて、と首を横に傾げる。私もそこまで鈍くない。彼が何を話そうとしているのか、容易に想像がついた。





「た、小鳥遊さんってさ、彼氏居るの?」




「ううん、居ないよ」




頭を振った瞬間にぱあっと顔を明るくする彼。……やっぱり。




「俺、小鳥遊さんのことが好きです!その、俺と、付き合ってくれませんか!!」




ばっと頭を下げる彼。……申し訳ないけど。




「ごめんね、私君のことあんまり知らないし……。でも、気持ちは嬉しいなぁ。ありがとう」




そう言った瞬間に悲しそうな顔をする彼。……慣れないなぁ、人の好意を断つのって。




「……どうしたら、俺のこと見てくれる?」




「え?」




「何をしたら、小鳥遊さんは俺のことを好きになってくれるの!?」




「痛ッ……」




がっと肩を掴まれる。途端に恐怖が私を襲ってきた。嫌だ、この人怖い……!




「離して、お願いっ」




「離したら好きになってくれるの!?」




「そんな訳ないでしょ馬鹿!」




必死にもがくけど、男女の力の差は歴然だった。簡単に抑え込まれて、息の荒い彼が近づいてくる。嫌だ、待って、誰か、




「せんせ……っ」




「嫌がる女の子に無理やり迫るのは、流石の先生でも見過ごせないなぁ」

8→←6



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (424 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1438人がお気に入り
設定タグ:3年A組 , 柊一颯 , 菅田将暉
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

理音(プロフ) - ドキドキが止まりません!!更新楽しみにしています!! (2022年8月23日 12時) (レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
もちゃ - 柊先生かっこよすぎて超キュンキュンしてます!更新待ってます! (2020年1月19日 22時) (レス) id: e6667f44b0 (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - 柊先生が格好いい…笑 夢主が拉致られて、それを先生が助ける…みたいなのはどうでしょうか? (2020年1月18日 0時) (レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
夏もち(プロフ) - 夢主が寝ぼけてて先生に甘える(結構甘めで)お願いします! (2019年3月15日 1時) (レス) id: 9d8705ef53 (このIDを非表示/違反報告)
カイシウ(プロフ) - クラスの男子にモテモテで取り合いされているのを見たいです! (2019年3月13日 1時) (レス) id: 1d94155278 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:埜山 | 作成日時:2019年1月17日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。