4ヶ月の幸せ【天月】 (ページ4)

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私と彼の話ページ4

そうして辿り着いたところに横たわる。
う、と気持ちが悪くなり、また粗相をしてしまった。
あぁ、困るのは彼なのにな。
そうぼんやりと考える。
意識が朦朧としてきて、視界が歪んでいく。

彼のつけてくれた"はる"という名前。
彼の優しい声。
彼の大きな手。
彼のあたたかい膝の上。

彼のくれた全てが私の宝物だ。
たった4ヶ月という、とても短い生涯だったけれど、悔いは何も無い。
彼と出逢えた奇跡に、感謝したい。

あぁ、体に力が入らない。
少しだけ、ここで眠ろう。
うとうととする中、やはり頭に浮かぶのは彼と皆のこと。

「うわぁ、待って、めちゃくちゃ可愛い！！」

「オッドアイなんだ？綺麗だね」

「めっちゃ美人さんやん！」

「大人しいんだな……。頭が良いんだろうね」

「めっちゃふわふわや……。きもちいい」

「はるちゃんって言うんだ。素敵な名前だね」

彼には、沢山のお友達が居た。
彼と同じように優しくて、あたたかかった。
……そういえば、ずっとくしゃみをしていた人が居たな。
風邪をひいていたのだろうか？
もう、治ったかな。

"やっぱり、彼が優しいから、周りも優しい人が沢山いるんだろうな"

いよいよ瞼が落ちていく。
恐怖はなくて、ある感情はひとつだけ。

"私の誇らしいゴシュジンサマ。
貴方と出逢えて、とても幸せでした"

そうして、ゆっくりと目を閉じた。