初恋物語。【 skt 】 (ページ7)

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「…あれ、センラは？」

「え？」

二人で辺りを見渡す。
だが、泉くんは何処にも居ない。

「アイツ先に帰ったんかな…」

「そうかも……」

「まぁええやん！二人でいっぱい話そ！！」

そう言って坂田くんは無邪気な笑顔を見せた。

帰りながら二人で色々なことを話した。
好きなものの話、休日の過ごし方、オススメのものの話…。
そんなことを話しているとあっという間に家に着いた。

「ぁ、ありがとうございました…！」

「いーえ！またな！！」

「また、ね…！」

私は玄関先で坂田くんの背を見送ってから家に入る。

「ただいまぁ…」

母「あっ、おかえりA！ちょっと頼み事しても良いかしら？」

「うん、どうしたの？」

母「裏のお家の浦田君にこれ持って行ってくれない？」

"はいこれ"と渡された紙袋。
中には沢山の果物が。

「お母さん、これどうしたの？」

母「実家から送られて来たのよ」

"ほら"と段ボールを指差す。
おじいちゃんの家は様々な果物を育てていて、季節によって送られてくる果物も変わる。

母「ほら、早く着替えて持っていく！」

「はーい…」

私は紙袋を置いていら自分の部屋に戻って私服に着替える。

浦田先輩とはご近所さんで、たまにこうやって色々届けに行く。
その時に坂田くんの事色々聞いたり…。

私の家族が引っ越して来たのは私が中学二年生の時。
学校は転校したくない、と駄々を捏ねて電車通学をしていた。

でも今考えたら転校すれば良かったなぁ…なんて思う。
そうすればもっと早く坂田くんと知り合えたのになぁ…

今日も坂田くんについて聞かないと…！

私は"坂田くんノート"と書かれたメモ帳とペンを上着のポケットに入れて部屋から出る。

「行ってくるねー」

私は家を扉を開けて、足早に浦田先輩の家に向かう。

＿＿＿この後起こる事を、私は予想していなかった。